金沢星陵大学女子短期大学部

NEWSSei-Tan News!

Sei-Tan News!

【文芸部】「第14回金沢文芸館あすなろ青春文学賞」を受賞しました。

2020.10.23

短大部文芸部部長の経営実務科2年次廣田明優さん(石川県 金沢錦丘高等学校出身)が、「第14回金沢文芸館あすなろ青春文学賞」の短編小説部門において奨励賞を受賞しました。
受賞した廣田さんに文芸部での活動や応募に至った経緯、受賞した時の想いなどを語っていただきました。

◆あすなろ青春文学賞とは
 
金沢文芸館の開館1周年を記念して作られた文学賞。金沢市の伝統ある文芸活動に若者の参加を推奨し新しい息吹を汲み上げ才能が発掘され育っていくことを目的としている。
応募資格は、中学生以上、満20歳以下で石川県内に在住・在学・在勤の人(過去に在学・在勤も可)。
「短編小説」部門と「詩」部門があり、各部門ごとに優秀賞と奨励賞を選定。
※金沢文芸館Webサイトより

文芸部を立ち上げたきっかけと活動内容を教えてください。

物を書くことが好きだということを話していたら、周りから「じゃあ立ち上げてみたら?」と言われたのがきっかけです。
部員が自分以外に集まらず、友達など興味のありそうな子に参加してもらって、なんとか人数を集めました。設立したのは去年のちょうど今頃です。今、1年生が2人入部予定ですが、もう少し増えると嬉しいですね。部員は絶賛募集中です。
活動は不定期で、個人で書いたものをお互いに批評しながら推敲しています。

「あすなろ青春文学賞」に応募したきっかけと受賞した時の気持ちを教えてください。

高校の先輩が応募していて、先輩の作品に感動して書き始め、実は高校生の頃にも2回応募しています。そして高校2年生の時に初めて奨励賞を受賞しました。本当は、今年受賞した作品を含めて冊子にまとめて、部員募集に使いたかったのですが、新型コロナの影響でまだ実現できていません。卒業までには一冊の冊子を作り上げたいなと思っています。
今回の受賞を聞いて、やっぱり嬉しかったですね。受賞したことのある賞とはいえ、応募するからには賞は欲しいと思っていましたし、書くからには上を目指したいなと。これからもコンクールに応募した時は賞を狙って、自分の力をさらに磨いていきたいと思っています。

応募作品(のタイトル)と内容を簡単に教えてください。

タイトルは、『ジェミニの脱獄』。ストーリーは少し複雑なのですが、「子どもが同調圧力から逃れること」が大きなテーマです。主人公は高校生の男子2人。特に今は新型コロナの影響で周りの視線や意見が気になってしまいがちですが、周りの目を気にせずに自分の意志をしっかり持った人物を描きました。執筆したのは昨年なので新型コロナがまだ流行する前でしたが、結果的に現在の状況にかなりリンクした内容になっています。文庫本でいえば30ページに満たない文量で、読みやすいと思います。

文芸部での活動を今後の人生にどう活かしていきたいですか?

文章力や表現力などの力は社会人になり就職してからもダイレクトに活かせる力だと思います。書く力や言葉を使う力というのは、短大での様々な経験から高校生の頃より成長したと実感しています。これからも人との関わり合いの中でそうした力を使っていきたいですね。
文芸部顧問の山田先生はご専門が国語で、先生の授業も文章を書く作業に直接活かせています。授業がそのまま執筆に役立っていて、個人的に先生の授業は面白くて大好きです。

後輩や高校生にメッセージをお願いします。

文芸というと堅苦しいなと思う人もいるのではないでしょうか?実際全然そんなことはなくて。私自身も書き始めたのは高校生の頃からですし、全くの初心者で、先輩の書く文章に一目ぼれしたのがきっかけでした。なので、初心者の人でも一から始められます。もし少しでも興味があれば声をかけてほしいですね。文芸は小説だけでなく、短歌とか俳句とか詩とか種類は様々です。言葉を扱うことが少しでも好きな人は躊躇せず始めてみることをお勧めします。

顧問の山田範子先生からのコメント

あすなろ青春文学賞奨励賞受賞おめでとうございます!廣田さんの努力と才能が認められ、顧問として本当にうれしく思います。
自分の頭の中にあるイメージを言葉にして一つの作品として表現することは簡単ではありませんよね。私も経験がありますが、書けば書くほど迷路の奥に入り込むこともあったのではないかと思います。同時に、このような苦しみを知っているからこそ良い作品が書けるのだと思いますし、いろいろな文学作品との幸せな出会いがあるのかもしれませんね。
いつも創作意欲にあふれる廣田さんはとても輝いています。これからも素敵な作品を書き続けていってください。楽しみにしています!

また、文芸部に興味のある学生はぜひ声をかけてください。新型コロナの影響で活動が滞りがちでしたが、今後は部員の作品を集めた部誌を作成できればと考えています。
私はストーリーマンガを文学的に読む研究をしていますので、文芸をより広く捉えることも可能なのではないかと思います。創作に自信がなくても、文学作品についていろいろ考えを交流するところからはじめてみませんか。
部長の廣田さんや部員の皆さんと一緒に楽しく語り合い、思考力や表現力を高め合っていきましょう。
受賞作品は「金沢創作工房」に掲載され、金沢文芸館はじめ文芸館近隣の図書館にて閲覧できます。