金沢星陵大学女子短期大学部

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【クラスコミュニティ】日本の財政状況を考える

2019.07.09

6月26日(水)

『他人事ではなく自分事として』
 
クラスコミュニティの全体講義、今回は北陸財務局の方々を講師にお迎えし、グループワークで学ぶ「財政教育プログラム」を実施しました。このプログラムは、すでにいくつかの教育機関(中高大)で行われているもので、日本の財政状況について理解を深めるためのものです。
 
国の財政に関する講演を聞いたあと、学生たち自身が財務大臣となって歳入と歳出のバランスを考えながら国家予算を作るというグループワークを行いました。ワークの後の発表では「高齢者やこどもに優しい社会の実現のため社会保障の歳出を増やし、今は戦争もないので防衛費を減らす」などの案が出ました。
学生たちは、一方を追及すれば他方を犠牲にせざるを得ないという予算の各項目のトレードオフ関係について、総合的な判断を行う難しさとともに面白さも感じているようでした。
 
最後には財務局職員の方から「国のお財布事業を、他人事と思わないでほしい。絶対的な答えはないので、みんなが自分事と考えて意見を出し合えば、もっと暮らしやすい社会が実現するはず」とのメッセージをいただきました。

参加学生のレポートより(抜粋)

経営実務科 1年次 M・Mさん(石川県 金沢桜丘高等学校出身)
日本は社会保障や公共事業などを行う上で多くのお金を使っているので、そのお金の使い道を明確にして年度ごとに減額していく必要があると理解した。同じ班の人の意見を聞くことで自分が思いつかなかった案を知ることができ、考えが深まった。国の借金は増えていく一方なので、無駄を無くして不足している所に資金を回すことが大切だと考える。
 
とても難しいテーマだったので、自分で予算案を作ってみるのは大変だった。しかし、いつも利用している公共サービスなどにもとても多くの費用が使われていると知れたのでよかった。予算案を作るのは財務省の方々で、自分には関係ないと思っていたが、そんなことはないと感じた。私は選挙で投票できる年齢なので、自分の地域運営に携わる人たちを選ぶためにも、何にどれだけの予算が必要かを自分で考えてみる必要があると思う。
 
<それぞれ切り離すことができない「仕事・行政・政治」は、投票によって変えることができるということについて>
何の職業に就いたとしても、行政はどこかで自分に関わってくると知った。政治は遠い存在で詳しくはわからないが、関心を持つことが大切だと思う。新聞などで情報を得ることは可能なので、自分が深く関わっていない分野のことについても知っておくと良いと考える。

経営実務科 1年次 N・Kさん(石川県 金沢学院高等学校出身)
今回はグループワークや自分の意見を発表する機会があったので、今までの講義とはまた違った良い経験ができた。財政について考えたことがなかったが、話を聞いたり、みんなの意見を一つにまとめたり、普段では絶対にしないようなことをした。財政のことを決めるためにたくさんの時間を使って、国民全員が平和に暮らせるようにということを考えて、慎重に決めているということが分かった。
経営実務科 1年次 S・Hさん(石川県 飯田高等学校出身)
今までの講義では、自分の考えを持つというより、相手の意見を聞いて参考にし、自分の将来像を描いていた。しかし、今回の講義では、今の世の中に対して、自分の意見を持ち、考えを述べるものだったので、真剣に考えさせられた。世の中のことなんてよくわからないから、と政治から少し逃げていた自分を少しでも成長させることができたのではないかと思った。話は難しくて完全に理解できたわけではないけれど、将来社会を支える社会人になっていくので、全くの無知でいるより、学ぶことができて良かったし、いい機会だったと思う。

経営実務科 1年次 A・Nさん(石川県 鹿西高等学校出身)
話し合いを通して、自分が思っていたよりも日本は借金をしていて、借金をこれ以上増やさないためにも必要な分の予算を設定したり、それほど予算がかからない問題は現状維持や予算削減したりと、的確な判断が必要だと分かった。また、自分の考えと違う意見があるからこそ、より良い結論に至ると思った。
 
普段、予算について考える機会がなかったからとても難しいと感じた。また、これまで聞いてきた内容は個人の将来に関わることだったが、今回は個人だけでなく日本に住む人全員の将来に関わってくる、とても重要なことだと思った。
<それぞれ切り離すことができない「仕事・行政・政治」は、投票によって変えることができるということについて>
せっかく与えられた選挙権を死票にするのではなく、自分の一票で日本の未来が変わると考え、自分と意見が一致する政治家や政党に投票すべきだということ。

経営実務科 1年次 H・Tさん(富山県 高岡西高等学校出身)
自分たちでテーマを考えて予算案を作ってみて、増税にするか減税にするか、何のために使うのかなどを考えて作るのが難しかったです。また、他のグループが作った予算案を聞いてみてそういったお金の使い道もあるのだと発見があり、同じテーマでも、私たちとは全く異なる予算案を作っているグループもありました。色々な意見がある中で国が予算案を作る時に国民みんなが納得する予算を作るのは難しいことなのだと思いました。
 
お話を聞くまで、今の日本は高齢化が深刻なのでお年寄りのためにお金が必要だと思っていたけれど、私たちが小学校、中学校に上がるためにも国のお金が使われていると知って、財政の問題は高齢者だけではなく、子供から大人までみんなの問題なのだとわかりました。そして財政の他にも国には多くの課題があり、簡単には解決できない問題だと思いました。
 
<それぞれ切り離すことができない「仕事・行政・政治」は、投票によって変えることができるということについて>
財政の問題は難しく、私は今まであまり考えることがなかったけれど、辰島先生が言っておられた選挙のお話がわかりやすかったです。選挙権が持てるようになった今、誰に投票するかといったときに、どういった人を選べば国がもっと良くなるか、私たちが暮らしやすいようになるかなどを判断する一つとして、財政のことを学んでおきたいと思いました。

経営実務科 1年次 A・Sさん(石川県 遊学館高等学校出身)
今の日本を良くしていくためには、今必要なことにお金を使うべきだと思います。高齢者や子供が住みやすい街を作るためには社会保障や教育のためにお金をかけて、今の時代は戦争が起きない時代なので防衛は現状維持すればいいと思いました。
 
この活動の中でグループワークをして一つの項目にも色々な考えがあったし、自分と反対の意見を聞いても理由がはっきりと書かれていて、根拠がしっかりしていたので共感できた部分がありました。普段このように今の日本について考える機会がないのでとても貴重な経験ができたと思います。

  

クラスコミュニティ

授業意図
本講義では、クラスごとに教員と学生によるコミュニティ(共同体)をつくり、学生として身につけるべき学修意識や社会の一員としての意識を学びます。
基本的なテーマとして、「『読む』『聴く』『考える』『書く』『話す』Input~Output」を設定し、全クラス合同の講義形式とクラスごとの演習形式とを適宜組み合わせた実践的なかたちで授業を進めていきます。
クラス担当教員は、毎週の授業だけではなく、学業・学生生活・就職に関する総合的な指導・アドバイスも行います。

科目の具体目標
学生生活を送るうえで必要な、また社会人として必要な教養を身につける。