「日本人」が「外国人」になる
アウェーの空間に行き、
学ぶことは自分を強くする

人文学部国際文化学科3年次 N.Nさん
留学先コドラーニ ヤーノシュ大学(ハンガリー)

なぜその国、その大学を選びましたか?

私がハンガリーを選んだ理由は三つあります。一つは、もともとヨーロッパの文化や石造りの街並みが好きで、もし留学が出来るのならば、自分もそんな素敵なところで学びたいと考えていたことです。二つめは、留学候補地に挙げられていたヨーロッパの地はいずれも留学前に受けるIELTSという英語の試験において高いスコアを出す必要があり、それが英語学習のモチベーションに繋がると思ったことです。それから三つめは、東欧諸国の物価の安さです。
留学は決して簡単にできるほど安いものではありませんし、物価の安さは私にとってとても魅力的なポイントでした。

現地での生活はどうでしたか?(留学中のエピソードを教えてください)

ハンガリーの地に降り立ったのは1月の末だったので、本当に毎日寒かったです。それこそ[本当に]耳がちぎれるかと思うほどです。ドナウ川も一面氷で覆われていました。
私の中で印象に残ったエピソードは、ハンガリーに来て1日目の出来事です。初めての場所で、緊張と興奮を抱えながら指定された学生寮の住所まで空港のミニバスで行ったはよいものの、そこにいるはずの学生寮の管理人の姿はありませんでした。目の前にある建物は寮とは思えず、確認をしようにも重厚な鉄の門でロックされていて、中を覗くことすらできませんでした。[幸い]管理人の電話番号を控えていたのですが、公衆電話を使おうにも小銭はなく、両替をにしようにもハンガリー語なんて全く分からないので、寒い時期にドアを閉ざされた店が一体何の店なのかすら分からず入ることもできませんでした。

困った私は、警察署を探して事情を説明し電話を貸してもらおうと考えましたが、ここでも問題が。
警察の場所を聞こうにも、道行く人々に英語が通じなかったのです。後で知ったことですが、ハンガリーは日本とあまり変わらないくらい英語が浸透していません。ですので、英語がわかる人を探すことから始めなければいけませんでした。
[しかし、]ようやく見つけた英語の分かる方がおっしゃったのは「警察はここからとても遠いよ」という絶望的な言葉でした。結局、半ば泣きそうになりながら大きなスーツケースを引きずり、少し歩いたところにあった銀行のカウンターにて事情を説明し、無事管理人に電話を掛けていただくことが出来ました。住所は合っていたのに、管理人が時間通りに来なかったことが原因でした。 英語が分からないながらも言いたいことを理解してくれようとしたご婦人、ドアにスーツケースを挟めて動けなかったのを助けてくれた男性、親切な銀行員の方々、ハンガリーには優しい方がとても多かったです。

留学先の大学での授業はどんな雰囲気でしたか?

大学は大きすぎない、コンパクトな印象を受けました。そのため先生方との距離も近く、金沢星稜大学で受けていたような少人数授業を受けることができました。
留学生は比較的多く、ヨーロッパを中心にトルコ、ウクライナ、ロシア、オランダ、アルバニア、ルーマニア、ポルトガル、メキシコなどから多くの学生が学びに来ていました。 授業はグループ活動、グループプレゼンが多く、留学生同士が仲良く、和気藹々とした雰囲気でした。
授業はすべて英語で行われましたが、先生方はハンガリー人がほとんどで、[英語を母国語として使用していないので、]ネイティブでとても英語が速すぎて分からない!といった問題はありませんでした。
授業ではありませんが、学校行事も充実しており、ゲーム大会やハンガリーの伝統的なスープ「グヤーシュ」の配給、ワインテイスティング(残念ながら未成年のため見ているだけでしたが)といったものもありました。

留学を経験して得られたものは何ですか?

私が留学を通して得られたものは、英語を話すことの自信、日本では決して得られない友人関係、自立した生活に向けての土台、そして大切な思い出です。
”留学で得られるものといえば!”といった項目ばかりで面白みは無いかもしれませんが、留学という大きな転機のなかでこれらの経験を得ることが出来たのは自分にとって喜ばしいことです。
「自分の英語が日本人以外にしっかり通じる」と分かったのは、これから更に英語を学習していく上でのモチベーションになります。友人関係も[フェイスブックなど]SNSを通してずっと繋がっていきたいと思っています。そして、寮生活だったので料理、洗濯、掃除をすべて自分でこなすことにより、家族の大変さ、近い将来、自立した生活を始める際の心構えを知ることが出来ました。また、何よりヨーロッパを旅して、自分の目で歴史的な場所や建物を見て得た思い出は忘れられないものとなりました。

留学を考えている方、迷われている方にメッセージをお願いします。

はじめに書いたように、留学というのは簡単にできるものではないと思います。いくら今の時代、昔より海外に行きやすくはなったと言えど、費用や休学のことなど悩みの種は尽きることがないかもしれません。実際[私も]この金沢星稜大学の方針として留学に行くと決まった時は不安なことだらけでした。けれど、留学を終えて思ったこと、それは「本当に留学してよかった」です。
駅前留学などといった言葉もありますが、実際に「日本人」が「外国人」となるアウェーの空間に行き、そこで学ぶことは自分を強くしてくれます。予期せぬハプニングもたくさん起こります。ですが、そういった中で立つ力も大きな経験です。
今まで一人暮らし、一人旅すらしたことのない私が、一人でだだっ広い空港で飛行機の乗り換えをし、無事帰国できたくらいです。まさに「案ずるより産むが易し」ってこういうことだな、と思いました。
最後に、この記事を読んでくださっている方で”留学に行きたい”と考えている方が、有意義で楽しい留学生活を人文学部国際文化学科で送れるように願っています。

さあ、世界に学ぼう