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【信川ゼミ】『信川ゼミの企業探訪 #8』
2019.03.26
信川ゼミでは、企業や個人の考え方、それを取り巻く環境などから、「自分らしい働き方」とは何かを深く考えていきます。そこで、ゼミ生のみで企業を訪ねてヒアリング調査を行い、人的資源管理に関する施策やキャリア開発等についての理解を深めます。またこの活動は、ゼミ生が自ら責任をもって行うことにより、社会人としての責任・社会常識・ホスピタリティ精神・ビジネス対話力などを実践し成長させることも目指しています。
<企業探訪の流れ>
- グループに分かれ、訪問調査する企業を選定
- 自分たちの調査項目(経営方針や人事管理など)を決定し、他社比較など事前研究
- 企業にアポイントメントを取り事前資料を送付後、実際に訪問しヒアリング調査を実施
- 調査結果をまとめ、企業へ御礼状を送付
- ゼミ報告会を実施し、人的資源管理の施策や個人キャリアについて討議
こまつの杜
私たちは、石川県に馴染み深いコマツ(株式会社 小松製作所)に興味を持ち、地元小松市にある「こまつの杜」について調べることにしました。
2011年にコマツ創立90周年を記念し、小松工場跡地にオープンした施設です。
2011年にコマツ創立90周年を記念し、小松工場跡地にオープンした施設です。
企業調査報告書
<企業について>
「こまつの杜」は、地域の子供の健全な育成と自然環境の保全を目的に、わくわくコマツ館とNPO法人みどりのこまつスクスク会が共同で運営しています。地域の子供から社会人を対象としており、主にこまつの杜の里山の維持・運営に伴う環境保全活動並びに、同所里山・わくわくコマツ館での子供向け健全育成活動に関する事業を行っています。このように様々なプロジェクトを、女性社員10名、男性社員9名の合計19名の少数で経営されていました。
<私たちの注目点>
コマツには、経営方針として「品質と信頼性」「コマツウェイ」があり、こまつの杜もこれを経営方針としています。「コマツウェイ」とは、小松製作所の創立者である竹内明太郎さんの考え方・精神のことです。当時、小松にあった鉱山が廃鉱になり、地域の勢いを失う危機が訪れた際に、この地域を生かし活性化させるために、小松製作所を創立しました。コマツウェイには、このような創立者の地域を盛り上げようとする気持ちが込められているように感じます。
今回の訪問調査によって、こまつの杜では、特に「コマツウェイ」を重視され実践されていることがわかりました。こちらで開催されるイベント活動は、主に粟津工場のOBの方々(平均74,2歳)が企画され、ボランティアで行われています。最高年齢は93歳の方も参加されており、地元に対する深い愛(=コマツウェイ)を感じました。
また、地域で暮らす社員への就業支援施策も充実していました。例えば、年間有給休暇18日の取得を義務化していますが、それとは別にライフサポート休暇という介護や育児の休暇が取得できます。急に子供が熱を出し保育園に迎えに行かなくてはならない場合でも気軽に休暇が取れる制度です。
今回の訪問調査によって、こまつの杜では、特に「コマツウェイ」を重視され実践されていることがわかりました。こちらで開催されるイベント活動は、主に粟津工場のOBの方々(平均74,2歳)が企画され、ボランティアで行われています。最高年齢は93歳の方も参加されており、地元に対する深い愛(=コマツウェイ)を感じました。
また、地域で暮らす社員への就業支援施策も充実していました。例えば、年間有給休暇18日の取得を義務化していますが、それとは別にライフサポート休暇という介護や育児の休暇が取得できます。急に子供が熱を出し保育園に迎えに行かなくてはならない場合でも気軽に休暇が取れる制度です。
その他、コマツと同じ製造業の他企業と共同して、女性社員の交流研修会も開催していました。さらに、子育てと仕事の両立や、介護などで悩みを持つ女性社員に向けた専門家のセミナーなども開催されています。このように、女性が働きやすい環境もコマツウェイを土台として整備されてきたように感じました。
<まとめ>
「こまつの杜」は、コマツウェイという同社の価値観の基に、地域活性化を人材育成の面から進めていることを感じました。「子供」には、自然に興味や関心を持ち、自然の中で遊ぶ楽しさを学ぶことができる空間づくりを行っています。わくわくコマツ館では理科やモノづくりへの興味を抱くきっかけづくりを促しています。こまつの杜で働く「社員」には、希望する施策や無駄を感じることなどを社内アンケートで募り、それに沿った新たな人材育成の方法を検討していました。また、女性社員育成には、職場での働き方について理解が深く、意見も言いやすい環境作りが進んでいます。
こまつの杜の訪問調査を通して、働くことの本質についても深く考えることができました。
こまつの杜の訪問調査を通して、働くことの本質についても深く考えることができました。
探訪を終えて
経営実務科1年次 H·Iさん(石川県 小松市立高等学校出身)
企業のホームページやインターネットなどの情報を調べただけでは見つけることができないことを、訪問調査を通して知ることができました。実際に内部の施策や考え方を直接聞くことができたたり、職場の雰囲気や上司と部下のやり取りを間近で見ることもでき、企業に対する理解をより深めることができました。また、これから自分が働くうえで、何を重視していくのかについても考えることができたと思います。
経営実務科1年次 N·Kさん(石川県 小松大谷高等学校出身)
今回の訪問調査では、訪問してみないとわからない「こまつの杜」の組織内部の魅力を発見することができました。また、イベントなどの活動を行っている方は、ほとんどがボランティアでの活動だと知り、地元への愛を感じました。人材育成などのたくさんの疑問や質問に対しても丁寧に回答していただき、とてもうれしかったです。お忙しい中、快く受け入れてくださり本当に有難うございました。今回の訪問で得たことをさらに深めていき、今後のゼミでの研究につなげていきたいと思います。