金沢星陵大学女子短期大学部

学長室の窓から

「教えるとは希望を語ること. 学ぶとは誠実を胸に刻むこと」

4月15日

「教えるとは希望を語ること. 学ぶとは誠実を胸に刻むこと」。これは フランスの詩人ルイ・アラゴン(1897-1952)の有名な言葉です。ナチスのフランス侵攻という時代背景のなかの作品ではありましょうが、時代を超えて、「教える」とか「学ぶ」ということの本質を突いた言葉です。私も座右の銘にしています。これまで40年以上教えてきましたが、学生たちに希望を語ってきたのだろうか。単なる知識の切り売り作業に過ぎなかったのではないか。自分の学びは誠実であっただろうか。胸に刻むほどの誠実さよりは頭に詰め込むだけの当座のやりくり、つまり本当は知的な怠惰に過ぎなかったのではないか。じつにじつに、反省しきりです。
 
いまもう一度ルイ・アラゴンの言葉をかみしめながら、おそらく教育者としては人生最後の400mトラック周回になるであろう学長任期の4年間、毎年100mずつを1歩ずつ、胸に刻むように誠実に歩むとともに、1歩ずつに希望を込めて語り続けたいと考えています。
 
そんな思いを胸に『稲置学園50年』誌を開いておりましたところ、第7代(平成20~24年)短大学長大畠重衛先生が、「教えるとは希望を語ること. 学ぶとは誠実を胸に刻むこと」と語られておられることを知りました。大先輩と同じ道を歩んでいる。思わずうれしくなり、また意を強くしたことでした。