金沢星陵大学女子短期大学部

学長室の窓から

「サッカー部天皇杯出場とSei-Tan女子マネージャー」

9月3日

8月29日、金沢星稜大学サッカー部が2020年度石川県サッカー選手権大会で、昨年決勝で敗れた北陸大に1-0で勝ち、2年ぶり3回目の優勝を果たしました。合わせて第100回目の記念すべき天皇杯全日本選手権大会の出場権を手にしました。新型コロナウイルスの影響で思うような練習ができなかった中、よくぞ集中力を切らさず頑張ったと思います。選手はもとより、監督・コーチはじめスタッフの皆さんの労をねぎらい、心からお祝い申し上げます。
 
今日は、そのチームスタッフの一人、マネージャーのSei-Tan経営実務科2年生小河愛珠(おがわまなみ)さんを紹介したいと思います。小河さんはもともとスポーツ好き、高校までは陸上競技をやっていました。Sei-Tan入学後、新しいことにチャレンジしたい、とサッカー部マネージャーを志願、監督に直訴したそうです。女子マネージャーの募集は行っていなかったため、監督は当初難色を示しました。サッカー部は練習場や時間割の関係で、毎朝夜明け(5時頃)から8時過ぎまでの早朝練習が日課。そのような練習計画や練習内容を聞いたらあきらめるだろうと、説明を始めたところ、小河さんはやおらノートを取り出して、それらをメモし始めたのだそうです。「こんな学生、今まで見たことない!」と即決採用。
 
毎朝、4時起きしてサッカー場に駆け付けた小河さん。練習内容の確認、それに合わせた用具の点検や準備、配備と撤収、選手のコンディション確認から、練習記録の整理、翌日の打ち合わせなど、チームスタッフの一員として「経営実務」を存分に役立てたとのこと。本人は「最初は大変でしたが、やりがいもあり、面白かったです」とまことに屈託のない笑顔。監督も大絶賛です。ちなみに小河さんは、ある大手の建設設計会社に事務職として採用が内々定しています。きっとこれからも大勢の男性社員たちを切り盛りし、ますます「輝く女性」になることでしょう。
 
Sei-Tanは女子短大なのですが、このように金沢星稜大学と同一キャンパスにありますから、図書館や講義室、コンピュータ演習室などを共通に利用できるのはもちろん、短大の授業のほかに、金沢星稜大学で開講されている学部学科の授業も科目等履修生として受講でき、単位も取得できるのです。小河さんのように、部活動やサークル、行事なども一緒に行うこともできるのはもちろんです。これらもあなたのキャンパスライフを豊かにするかもしれません。
 
ところで、男女共同参画社会の実現には、男性の側の意識改革の必要性が大きいことは確かですが、女性の側も、リーダーシップを発揮できる資質や経験をより積極的に身につけねばなりません。Sei-Tanが女子大にこだわる理由の一つがそこにあると私は考えます。例えばSei-Tanに学友会がありますが、そのリーダーの皆さん方は当然女性です。全員を代表して、さまざまな意見や改善案を大学の管理運営側に積極的に寄せてくれます。学長としても誠実にそれに応えたいと思いますが、時にはシビアな議論にもなります。そしてこのような経験は将来に生きるとても貴重な体験になるだろうと思います。Sei-Tanが先に見据えているのは、真の男女共同参画社会の実現に向けた新たな女性の在り方でもあるのです。