金沢星陵大学女子短期大学部

学長室の窓から

「金沢マラソン-走る・歩く」

11月25日

10月30日、絶好の秋晴れ・紅葉の下、金沢マラソンが行われました。参加者1万2千人、走って良し、歩いても楽しめそうな42.195キロ。金沢マラソンは「一度は挑みたい 初心者も楽しめる市民マラソン10選」で、東京、大阪、神戸、那覇に次いで5番目にランクされる人気ぶりです。

私は自宅ベランダからの応援でした。コースの車道を走ってみたい気持ちはあるのですが、全国から応募者殺到、抽選で参加者が決まるということですから、地元の老人は拍手で支える側に回るのがよさそうです。

もう一つの理由は、毎朝6時からの日課、浅野川沿い遊歩道ウォーキング。その日の体調や天候、履物(通常は運動靴、雨雪時はゴム長靴)によって、歩幅76センチ、毎分114歩のパターンとリズムは多少変動しますが、毎朝60分、すなわち約5キロ。距離だけからいえば、10日の内には1度、ひと月に3度マラソンをしている計算です。

筆者撮影 金沢マラソン

「歩く」など、誰でもできそうですが、「甲子園の入場行進」「雪や凍った道の歩き方」「結婚式やお葬式での歩き方」など、実は私たちは服装と同様、状況に応じて使い分けています。軍隊の行進はもちろん、オリンピックの入場行進も、国ごとに歩き方が違います。つまり、私たちの歩き方はそれぞれの文化の中で、学習によって身に付け、習慣化されたものなのです。

昨年度、新型コロナの影響で、Sei-Tan1年生に「健康的で美しい歩き方」の授業を2回行いました。1回は対面で理論と歩き方の基本データを確認、もう1回は自分の歩きを動画撮影して送ってもらい、映像で評価してみようという試みでした。結果、文句なしにS・Aの歩きは全体の三分の一。もう少し意識して歩けばS・AになれるであろうBが三分の一。C相当の猫背など基本姿勢が悪い、骨盤後傾、膝が伸びないなど改善の余地ありが三分の一。「健康的で美しい歩き方」をしている人は、案外少ないのですよ。全員、これまで自分の歩き方を客観的に観察したことはなく、よい経験になったと好評でした。

ちなみに、私の歩きは猫背・うつむき気味で、評価はBです。意識すればAに近づきますが、考え事をしているとすぐCに近づきます。走ることもマラソンも歩くことが基本。そもそも直立・二本足歩行は人間としての原点。もっと基本を大事にしたいですね。