金沢星陵大学女子短期大学部

学長室の窓から

「スマイル スマイル スマイル」 令和5年度金沢星稜大学女子短期大学部 学位記授与式式辞から

3月15日

本日、短期大学士の課程を終えられ、晴れて「学位記」授与式に臨まれた118名の皆さん、金沢星稜大学女子短期大学部を代表して、心からお祝い申し上げます。合わせて、これまで皆様の学業生活を支えてくださった、ご家族をはじめ、多くの方々のご支援に対し、深い敬意と心からの感謝を申し上げます。
本年1月1日の「令和6年能登半島地震」からおよそ2か月半。240名を超える犠牲者と、行方不明者、避難所には今なお5千人を超える被災者がおられます。こうした中で皆さんが本日学位記授与式を迎えられるのは、皆さんご自身の努力はもちろんですが、ご家族をはじめ、多くの方々のご支援、さらには復興への担い手として社会から強い期待と祈りが寄せられていることの賜物です。どうかそのことの意味を謙虚に受け止めて、今日、家に帰られたら、ご両親やご家族にきちんと卒業あるいは修了の報告をし、お礼と感謝の言葉を述べてください。そしてこれからの自分の生き方に思いをはせてください。
さて、この2年間、皆さんは入学式から、本日の卒業式に至るまで、「夢を力に、二年で四年を超える」、「明日輝く女性になる」をスローガンに、これまで努力を積み重ねてこられました。 今年度皆さんが達成されたその成果は、国家・地方公務員合格者は延べ28名、金沢星稜大学をはじめとする大学編入合格者2名でした。ほとんどの方の就職も決まっているのですが、まだ決めあぐねている方もおられます。卒業後もきちんとサポートしますので、安心してください。そのほかエッセイコンテストの入賞、能登牛のキャンペーンや商品開発・販売の様子などが、テレビや新聞などでもとり上げられ、また金沢百万石踊り流しが『スマイル賞』を受賞するなど、大活躍。地域の人々に夢とエネルギーを与えてくれました。皆さんの努力を讃え、敬意を表します。

星短の教育の特徴を私はこう考えています。星短は四年制大学と比べて、2年間しかないので、必要な分を精選し、ギューッと凝縮して教える「選択と集中」の高等教育なのです。少し忙しかったかもしれませんが、その分充実しているため、あっという間だったのではないでしょうか。必要なことは身に付いており、明るく、元気。これからどんどん新しいことを吸収できる。それが星短生の魅力なのだと自信を持ってください。

皆さんは、本日星短という港を離れ、それぞれの道に向かって旅立ちます。新しい船出です。
皆さんが船出すると、長い航海の間には、嵐や台風にぶつかるかもしれません。
目の前に嵐や台風が迫っているなら、その時に一直線だなどと言わず、さっさと避けなさい。逃げなさい。命があれば、どれだけ回り道をして時間がかかろうと、いつかは目的地に到達することができます。大事なことは、「生きて幸せになること」です。人間は幸せになるために生きるのです。ぜひ、このことを覚えていてください。

そして、皆さんが目指す目的地は、「誠実にして社会に役立つ人間」です。「誠実」というのは、これまで皆さんがやってこられた、自分の夢や理想に向かい、それを実現するために、日々、目の前のことがらを一つ一つきちんと、手を抜かずにこなし続ける力を持った粘り強い人のことを言います。そして「社会に役立つ人間」というのは、あなた方が自分の夢を実現するとともに、それが自分のためだけではなく、誰かが喜んでくれたり、幸せになったり、社会が少しでも良くなるような活動や行為に結び付けなさい、ということです。 ことに、私たちの故郷は、能登半島地震の被災地ですが、今後は命を守る復旧からこれまで以上により良い在り方を目指す「創造的復興」へと歩みださねばなりません。皆さん一人ひとりがその担い手として期待され、また祈られています。折に触れて、この建学の精神を思い起こしてください。

筆者撮影 春の訪れ 名残の雪

そして「卒業」が終わりを意味しないのと同じく、うれしいにつけ、悲しいにつけ、折に触れて星短を訪れてください。星短はあなたの母校として、いつでも帰ってくることのできる特別な場所ですし、星短もまた、皆さんと一緒によりよい社会に向けた駆動力であり続けたいと願っています。

最後に、ここに卒業の日を迎えられた皆さんが、より良い社会の担い手として、健康で幸せな、希望に満ちた未来を築かれることを心より祈念して、お祝いの言葉とします。

「スマイル スマイル スマイル」 Sei-Tan生のモットーです。
さあ飛び立ちなさい。