金沢星陵大学女子短期大学部

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【山田プレゼミナール】あすなろ青春文学賞「詩」部門奨励賞を受賞

2024.03.26

山田プレゼミナールの津田 胡和さん(経営実務科 1年次 石川県 金沢市立工業高等学校出身)折橋 佐和さん(経営実務科 1年次 石川県 金沢泉丘高等学校出身)が第18回あすなろ青春文学賞「詩部門」の奨励賞を受賞しました。3/3(日)、金沢文芸館で表彰式が行われました。
文学・文芸を研究する山田プレゼミナールでは、今年度、詩を鑑賞するだけでなく創作にもチャレンジすることにしました。私が趣味で詩を書いているので、自分なりの詩の作り方をレクチャーし、まずプレゼミ学生に詩を書いてきてもらいました。それをプレゼミ内でお互いに読み合い、「ここはすごく良い表現!」「ここはちょっとよくわからないから他の表現にした方が良いかも・・・」などと意見交換しました。
このような合評会を経て、お二人が受賞されたことをとてもうれしく思います。一方で、受賞という結果だけでなく、その過程も重要でした。プレゼミ学生全員が相手の作品をより良くするための意見をだんだん言えるようになったこと、それから、少し厳しい意見でもありがたく受け入れ、自分の中でその意見を取り入れるかどうか判断して作品を仕上げたところがすばらしかったと思います。
これからもこの経験を活かして、お互いに高め合うゼミの仲間でいてください。そして、どんなときでも前向きに、何事にもチャレンジする意欲を持ち続けてくださいね。
(文:担当教員 山田範子准教授)

学生のコメント

津田 胡和さん 第18回あすなろ青春文学賞詩部門奨励賞『晴れの日』
今回、人生で初めて「賞」をいただきました。普段、詩を書いたり読んだりといったこととは無縁の生活を送っている私ですが、山田先生のゼミで詩を書く機会があり、今回この『晴れの日』という詩を書かせていただきました。詩に関する知識が全くなかった私ですが、あるとき登下校中の電車の窓の外を見るとたくさんの雨が降っており、季節も冬ということもあり、気温も寒くとても悪天候でした。その時に私は、気持ちをどこか穏やかにしてくれるような「晴れ」が毎日続けばいいのにと思いました。その時の感情を今回の詩に書きました。
素直な私自身の感情をそのまま書くことで奨励賞をいただけたことを、最初はあまり信じることが出来なかったのですが、母に受賞したことを伝えると表彰式に出席したいと言うほど喜んでくれました。徐々に受賞したことを実感していきました。
詩について無知だった私でも、ちょっとした発想や感情などを詩にするだけでも詩の面白さや楽しさを味わえるのだなと思うと、今後も詩について触れていきたいなと思いました。

晴れの日

津田胡和

太陽が笑う空に
雲がひとつない青い色が広がっている
花は笑っていて
葉っぱはカサカサと音を奏でる
木々はやわらかいざわめき
鳥たちが歌を奏でる
眩しすぎて優雅な朝

日が沈み灰色の空、寂しい街
影が伸びる夕暮れ時
街灯は静かに灯り
孤独な足跡が重く残る
ひとり考え事
過ぎ去った日々が重くのしかかる
晴れの日の真っ暗な夜、寂しさが募る

だけど
星たちは光り輝き
希望の光がさす場所を示す
暗闇の中、力強く生きよう

折橋 佐和さん 第18回あすなろ青春文学賞詩部門奨励賞『ずっと霧中』
今回、初めて書いた詩で奨励賞という素晴らしい賞を頂くことができ大変嬉しく思っています。
詩に関しての知識や経験が全く無い状態だったので、何についてどう書くか長時間悩みました。しかし、このような機会がないと自分の感じていることをしっかりと形にしたり、声に出したりすることは無いと思ったので、私がこれまで生きていて感じたこと、これからも生きていく自分の背中を押してあげるようなことを『ずっと霧中』として綴りました。
講評で最終連が良いと褒めていただけたこと、奨励賞を頂いたことをきっかけに、表現することに自信が持てるようになりました。これからは詩を書いたり鑑賞したりして詩の魅力を深く知っていきたいと思いました。

ずっと霧中

折橋佐和

ループする被害妄想
言いたい言葉
返したい言葉
受け止めるべき思い

何もかもわからなくて
自己嫌悪と人間不信で
頭の中はぐちゃぐちゃ
身動きも取れない

良く先も見えないで視線を落とした青白い光
居場所はそこだと思っていたのに
本当は違うみたいだ

何度も捨てようと思った
どこかで拾ってしまったこんな人間を
ずっと捨てられないまま
誰にも知ってほしくなかった
ぼやけてつっかえて吐き出せることのない
自分だけの感情
抱えたまま癒えないでいた

何をしていても
していなくても
不安はゴミ箱でも処理できないほど積もって

背中を押したのは時計の針
急かす相手は自分と未来
痛いくらいの優しさをくれる
大切な面影も泳いでいる

生きる勇気のほうが僅かに重い
その重みに任せて
まずはうつむきながら進む
傷ついても
傷つけても
今日が前に進むなら
せめて私は顔を上げて
白紙の地図の上を行こう