金沢星陵大学女子短期大学部

学長室の窓から

新しい年が明けました

1月15日

明けましておめでとうございます。
 
昨年12月15日以来、ひと月ぶりに「学長室の窓」を開けました。冷たく突き刺す冷気が入り込み、思わず身震いしますが、しかし、もともと東北・青森の積雪寒冷地に育った私には、どうってことはありません。氷点下になることさえ稀な金沢の冬は存外暖かく思われます。
 
子どもの頃の冬の記憶です。キーンと氷点下10度以下にまで冷え込んだ晴天の朝、川は凍り付きます。数年前、韓国釜山を訪れた際、全面結氷した洛東江(ナクトンガン)を目にしました。川が凍る程の朝には、大気中の水蒸気が氷の結晶になって上り始めた太陽の光に細かくキラキラときらめきます。ダイヤモンドダストです。ただ子どもの頃でも、めったに見かけることはなかったように思い、洛東江沿いに車を止めてもらって外に出ると、顔がぎりぎりと痛く感じられる冷たく乾燥した大気でした。「物好きな…」と同行者に笑われましたが、子どもの頃と同質の空気を皮膚感覚として存分に味わったことでした。
 
さあ、冬は寒く、嫌われものですが、めげてばかりもいられません。
イチゴの苗も冬の本格的な寒冷にあって休眠するからこそ、春に甘くおいしい実をつけるのだそうです。「冬来たりなば春遠からじ」。小・中学校で習った冬の元気な詩を思い起こして、元気に一年を乗り切りましょう。 今年もよろしくお願いします。
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高村光太郎 「冬が来た」
 
きつぱりと冬が来た
八つ手の白い花も消え
公孫樹の木も箒になった
 
きりきりともみ込むような冬が来た
人にいやがられる冬
草木に背かれ、虫類に逃げられる冬が来た
 
冬よ
僕に来い、僕に来い
僕は冬の力、冬は僕の餌食だ
 
しみ透れ、つきぬけ
火事を出せ、雪で埋めろ
刃物のやうな冬が来た
 
(詩集『道程』より)