金沢星陵大学女子短期大学部

学長室の窓から

「形式知と暗黙知」

4月25日

皆さん、新年度が始まりました。新入生は新しいカレッジ・ライフを順調にスタートできたでしょうか。2回生は就職活動が本格化していることでしょう。頑張ってください。
 
5月8日から新型コロナが感染法上の五類に移行して、その扱い方がインフルエンザと同じになるそうです。新型コロナウイルスがなくなったわけではありませんので、注意が必要ですが、2019年から3年余り続いた「コロナ禍」狂騒曲も一一段落つく形になりそうです。
Sei-Tanでは2022年「稲置学園創立90周年事業』として、「Sei-Tanコロナ白書‐近くて遠いキャンパス-」を刊行しましたが、その中には学生の皆さんの生の声が収録されており、貴重な記録となっています。ほぼすべての方から「友達に会えない」という悲痛な声が寄せられたのですが、中でも「ボタン一つで友達の顔が消える悲しさ」と表現してくれた学生さんがおり、その詩的な感性に感動を受けました。

筆者撮影 こいのぼり

当初コロナ禍にあって、やむを得ない代替措置として受け止められたオンラインによる遠隔授業でしたが、さまざまな知識を言語や図、映像に変換できる「形式知」の学修には大きな効果があるということも分かってきました。自動車学校の「運転マニュアル」も最初はこの形式知です。ですが、「運転マニュアル」を読んで、運転の仕方を覚えても、それだけでは実際に運転できるようにはなりません。実際に練習して、何度も失敗しながら、コツをつかみ、ようやく個人の感覚で運転できるようになります。この言葉にならない運転感覚や技能を「暗黙知」といいます。
 
Sei-Tan「経営実務」科で学ぶさまざまな科目、例えば、情報処理、簿記経理、税務、英語や外国語、言葉使いや女性の品格あるマナーや振る舞いも、「形式知」と「暗黙知」からなり、両者がともに必要です。コロナ禍の3年余りの貴重な学びでした。さあ夢に向かって新たな学び。一つひとつ誠実に取り組みましょう。