金沢星陵大学女子短期大学部

学長室の窓から

「金沢星稜大学スポーツ」

5月25日

2022年の5月は週末毎に、金沢星稜大学チームの野球、サッカー、バレーボールなどのスポーツ観戦に出かけました。新型コロナ感染に伴うまん延防止等重点措置や無観客試合などの行動制限も緩和され、3年ぶりですから、応援にも力が入ります。試合会場はたいてい広い運動公園内にありますので、山笑う時季を少し過ぎたこの季節、遠くに残雪の残る白山や医王山を望み、日一日と色濃くなる新緑の樹木が赤や白の躑躅(つつじ)などの草花とともに水田に映える風景は、北陸の初夏の中でも最も美しく、また気持ちの良い季節です。私にとっても良い休日の一日になりました。

筆者撮影、浅野川 田上桜の道公園のつつじ

さて、金沢星稜大学チーム。サッカー石川県選手権大会は北陸大との決勝戦で先制点を挙げながら、逆転され、惜しくも準優勝。北陸大学リーグの野球は、最終戦まで勝ち点4。優勝の期待が高まりましたが、最後に強敵福井工大に敗れ、勝率で3位でした。バレーボールは男女とも存在感と主張のある強豪チームに成長しており、男子は優勝、女子も3位と大健闘でした。

複数のスポーツを横断的に見ていると、それぞれの大学の「学風」や個性が見えてきます。金沢星稜大学スポーツは一言でいえば「礼儀正しく、真っ直ぐ」です。

プロのスポーツでは相手のユニフォームを引っ張る、相手に足をかけるプレイ、反則すれすれのプレイ、審判に見つからないところでのあからさまな反則を見かけることがあります。そうしたプレイをしなければ試合に勝てないとか、審判に見つからないように反則プレイをするのは、高度な技術の一つであり、競技スポーツ、ことにプロの世界ならば当然だという人さえいます。

しかし私は、目的のために手段を選ばないそのような考え方や行動をスポーツの中に、ひいては人間の中に持ち込むことには最後まで反対します。ことに大学では。勝利も大事なことですが、それ以上に大切に守らねばならない価値もあるのです。

強豪チームにありがちなのですが、他大学との接触を断ち、試合に勝つことのみに専心。会場の準備・片付け、大会運営などにも全く無関心で、手伝おうともしない、「お客さん」(ゲスト主義)を貫いている例も見かけます。

金沢星稜大学チームは、野球のグラウンド整備からバレーの会場整備・片付けに至るまで、率先し、主体的に行動しているように見え、まことに気持ちが良いものでした。そのような指導が行き届いていることに敬意を表したいと思います。これは金沢星稜大学スポーツの誇るべき文化資本の一つであり、多くの市民から支持・応援していただける大きな要因になっているのではないでしょうか。ファンや市民の方々はよく見ていてくださいます。

春のシーズンはどうやら一段落。夏・秋に向けて、選手の皆さん、頑張ってください。そしてSei-Tan生も含めて金沢星稜大学の皆さん、選手たちのそうした姿を実際に見てみませんか。勝敗を超えて感動しますよ。
機会を作ってぜひご観戦と応援を!

サッカー:2022年度石川県選手権(5月8日、金沢市民サッカー場)金沢星稜大学1-2北陸大学など
野球:2022年度北陸大学野球春季リーグ戦(5月15・22日、小松弁慶球場)金沢星稜大学0-5福井工大など
バレーボール:2022年度春季北信越大学バレーボール選手権(5月21日、福井県体育館)など