金沢星陵大学女子短期大学部

学長室の窓から

様々な図書館

9月15日

9月はじめ、短大・辰島先生とヨム先生ご担当、韓国ソウル市の「情報化社会論実地研修」に部分参加してきました。目的は韓国における先進的なICT機器を駆使した情報化社会インフラ整備の状況の視察。駅構内を見ても、乗務員の端末で座席管理が可能とのことで、改札口が見当たりませんでしたし、入口付近にはコンピュータ管理のブックステーションがあって、韓国国内の図書館から自由に取り寄せて、借り出しや返却ができるとのこと。一般的な利用であれば、図書館までわざわざ足を運ぶ必要がないことになります。これは便利だなと思わされました。

一方で、ソウル郊外坡州(パジュ)には出版と関連のある約300社が集まった国家文化産業団地、通称出版団地がありました。中心にあるのが「知恵の森」と名付けられた、天井まで吹き抜けの20段近い巨大な書棚には出版社ごとにほぼすべての本が配架されているという図書館。思わず森の中に迷い込んで、真上の空を見上げる心地。あんまり高くて、地震が来たら埋もれそうと不安になるほど。

コーナーの一角、絵本コーナーではSei-Tanの学生さんたち数人がテーブルを囲んで、韓国語の絵本に挑戦していました。驚いたことにスマホでページを撮影し検索をかけ、日本語翻訳しながら、熱心に勉強していたのでした。さすが「情報化社会論実地研修」参加の学生さん。誰しも自分の興味や関心事には夢中になれます。

このパジュ出版団地、一般に中小零細企業が多い出版企画から印刷・流通までの過程を担当する各社を集約したのだそうです。建物内には、図書館機能はもちろんのこと、書店、古書店、ショッピングモール、スパ、カフェ、レストランなどさまざまなお店が集まって、出版関連業のモダンな建物以外にも十分に楽しめる観光スポットになっていました。子ども連れの家族が一日中過ごせそうです。出版関連産業の保護育成まで視野に取り込んだ新しい発想の図書館としてたいへん勉強になりました。

知恵の森図書館の筆者

2022年7月にオープンした新石川県立図書館「ビブリオバウム」。立派で使いやすいのですが、イメージとしては一本の巨木図書館。9月には、新幹線開業を控えた福井県敦賀駅前「ちえなみき」という公設書店・図書館・文化施設がオープンしたらしいので、どんな並木になっているのか、ぜひ見に行きたいとこれも楽しみです。森と並木と巨木と、図書館もいろいろです。

皆さん、灯台下暗し。本学図書館は最も身近な図書館。ぜひ有効活用しましょう。