金沢星陵大学女子短期大学部

学長室の窓から

「流星30年同窓会」

11月15日

新型コロナ・パンデミック(COVID19)の終息に伴い、国際学会も再び活気を取り戻してきました。2023年10月、台湾身体文化学会の旧知の先生から「Sports, City and Culture」というテーマで国際シンポジウムを開催するのでと声をかけていただき、私もゲストの一人として講演してきました。

場所は台北市大安区にある国立台湾師範大学National Taiwan Normal Universityです。この大学、日本統治時代の1922年、旧制台北高等学校として設立され、帝国大学への進学機能を担っていましたが、1946年、国立台湾師範大学となりました。台湾には、政治経済・医学分野に強い国立台湾大学、理工分野の国立台湾科技大学、文化・教育分野に強い国立台湾師範大学の3大学が連携して、高度大学システムを作り、学術資源の共有と大学の高度化に成功しているようです。

国立台湾師範大学は、金沢の旧制第四高校(現石川四高記念文化交流館)を彷彿させる赤煉瓦造りの講堂などもキャンパス内に残され、建物も当時の面影を残しています。日本流にいえば、8学部28学科、学生総数1万6千人からなる一大総合大学です。台湾には例えば国立台北教育大学など複数の教育大学がありますし、一般大学でも教員免許は取得可能なのですが、「師範大学」には「高等」(advanced, higher)といった「一定のネームバリューとステイタス」が付与されてその名を残しています。

さて、今回、国立台湾師範大学のLin Mei-Chun副学長先生のご案内とWu Cheng-Chin学長先生のご厚意で、たまたまキャンパス内の体育館で開催されていた大学主催「大学卒業後30年記念同窓会」に出席させていただきました。私が現在学長職にあるということで、特別な計らいをいただいた賜物です。

筆者撮影「獅子吼高原に初雪が来た!」

大学卒業後30年。参加者は体育館いっぱい、およそ千名くらいでしょうか。クラス毎のテーブルに50歳超の男性・女性。台湾各界で活躍中の著名人、指導的な立場に立っておられる方も多数おられるということでした。もちろん、物故者も…。学部・学科別に壇上に上がっては挨拶と乾杯が繰り返され、現役学生による歌や演奏、ダンスも繰り広げられ、昼食を兼ねた歓談がにぎやかに繰り広げられました。締めくくりの30年ぶりの校歌は圧巻。言葉の意味はよく分からずとも、実に感動的でした。

若き日々、青雲の志を抱いて世に飛び出し、成功、失敗、挫折など、悲喜こもごも綯い交ぜながら生きてきたそれぞれお一人ずつの30年。もうその子ども世代が同じように在学しているかもしれない頃でもあります。30年を経て、母校が主催する記念同窓会(ホームカミングデー)に卒業生が集うというのは、良い記念になるとともに、大学と卒業生を結ぶ太い絆にもなることでしょう。本学でも「流星祭」の折にでも大学・短大「流星30年記念同窓会」など合同開催したいものだと強く思いました。