金沢星陵大学女子短期大学部

学長室の窓から

Sei-Tanコロナ白書

11月25日

2022年9月、日本私立大学連盟から「新型コロナウイルス禍の影響に関する学生アンケート報告書(概要版)」が発表されました。学生はコロナウイルス禍にあって、「安心安全欲求の顕在化」が見られるというものです。この私大連の調査は4年制大学生を対象にしていますので、就学期間が半分しかない短大の場合にはその影響や不安は一層大きかったとみなければなりません。

Sei-Tanホームページに「Sei-Tanコロナ白書」というバナーがあるのをご存じでしょうか。「近くて遠いキャンパス-当惑と奮闘の900日」というサブタイトルがついています。 金沢星稜大学とSei-Tanに合同危機管理本部が設置された2020年2月から、学校法人稲置学園創立90周年記念事業が行われた2022年10月に至るおよそ900日間の足取りを記録したものです。大きく社会の動向とそれに対応した大学・短大側の施策、そしてSei-Tan学生の皆さんの生の声を収録した部分に大別されます。

私は教育史研究に連なる学徒の一人として、成功や失敗・反省も含めて、我々がどう振る舞い、立ち向かったのか、その足取りの一端を学生一人一人の生活実感まで含めて主体的に書き残しておきたいと考えました。稲置学園創立90周年記念事業としてSei-Tanが取り組んだ理由です。

筆者撮影 浅野川 秋の名残

先に述べた私大連の調査は、経済面では「アルバイトができず収入が減った」。人間関係面では「友達に会えない」。授業面では「オンライン授業に変わった」といった学生を取り巻く環境の変化が、「就職・将来」に対する悩み・不安を生み出したとされています。 Sei-Tanでは、いち早くそのことを予想し、経済的支援の強化や、遠隔と対面の特性をふまえた授業形態の使い分け、就職支援体制の見直しと強化策などを打ち出し、学生の不安を払しょくし、学業に向き合うことのできる環境を創出して、「2年で4年を超える」「明日輝く女性になる」目標を達成できるよう様々な手立てを講じてきました。その具体策と成果の模様、学生の実感を含めた生活のリアルを「Sei-Tanコロナ白書」で知ることができます。

現在、新型コロナ感染第八波襲来が懸念されておりますが、ウィズコロナの時代と言われて、もはや「緊急事態宣言」「まん延防止等重点措置」など大学や企業等に大きな影響を与える措置が取られることは考えにくい状況にあります。それだけにSei-Tanが直面した「当惑と奮闘の900日」は貴重な記録となるのではないでしょうか。

ご一読いただければ幸いです。また執筆いただいた卒業生の皆さん、皆さんお一人お一人の声がこの冊子になりました。ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。