「名望家」
5月15日
フォーブス世界長者番付・億万長者ランキング(2020年版/WEB)によると、2020年、日本一の富豪はソフトバンクの孫正義氏(4兆8920億円)だそうですが、世界で見ると29位。世界一の大富豪は、孫正義氏の3倍、米国アマゾン社のジェフ・ペゾス氏(13兆1000億円)だそうです。大阪市立大学准教授の斎藤幸平氏によると、国際開発援助NGO「オックスファム」は、世界のトップ26人の資産総額が世界人口の半分、39億人の資産に匹敵すると試算しているそうです。
サイード『オリエンタリズム』(1986)は、1815年から1914年の百年間に、ヨーロッパの直接支配下に置かれた植民地領土は、地表面積のおよそ35%から85%にまで拡大したと述べています。19世紀から20世紀はまさに帝国主義の時代だったのですね。現代のグローバル新自由主義の時代、世界は少数の超富豪層に支配されるのではと危惧されます。
筆者撮影、山のあなたの空遠く
ところで、近代日本史、とりわけ地方史を紐解いていくと、「名望家」とよばれる人々の存在に気づかされます。近代の地域社会において名声や人望を兼ね備え、私財を投じて、経済・文化・政治活動等に力を入れた人のことを指します。稲置学園を創設した稲置繁男(1910~1993)氏もこの一人でしょう。