金沢星陵大学女子短期大学部

学長室の窓から

「学生の皆さんの出身高校を訪問してきました」

9月15日

皆さんこんにちは。9月第2週、3日間にわたって、進路支援課のスタッフとともに、能登方面、金沢方面、小松・大聖寺方面にある皆さんの出身高校(のいくつか)を訪問してきました。
 
目的は、本学の今年度受験生・入学生の募集・勧誘だと思うかもしれませんが、そうではありません。いや正直に言うと、そのつもりがないわけではありません。何といっても本学は私立大学。受験生・入学生がいなかったら、そもそも経営が成り立たず、存続できないのですから…。でも私にはそれ以上の思いがあります。
 
高校もSei-Tanも、学校種は違いますが、同じ教育機関なのです。この地域からお預かりし、託された生徒・学生さんたちを教育し、本人はもとよりその子どもや孫の世代まで、より幸せに暮らしていける地域にするにはどうしたらよいかを考えたり、工夫したり、そのノウハウを身につけてもらうという目的を共有しているのですね。そのための基礎知識・技能の学習が高校段階、その発展段階が短大・大学というそれぞれに応じた役割分担があるだけなのです。
 
ドイツの職人世界には同業者組合(ギルド)があります。例えば家具職人は、見習いの段階から一人前の親方(マイスター)として独立するまで、さまざまな段階や工場を遍歴するのだそうです。「おい俺のところで修業したあいつは今どうしている?」「うん、順調に伸びてるよ。もう1年もしたら、もっと上に進めるかな。楽しみだな」「そうかい、安心した。それは良かった!」私はそんなギルドの親方同士が交わすような類の会話を思い浮かべながら、高校の先生方と会話をかわしてきたのです。
 
高等学校の進路指導関係の先生方はベテランの方が多く、卒業生のことをよく覚えていてくださり、こちらが提供した就職内定先などを見て、「よかった!頑張ったんですね」と、ともに喜びを分かち合うことができました。私もSei-Tanの皆さんが2年間のキャンパスライフを充実させながら、誠実に努力し、自分に合った進路を決めているという現状を報告できることを誇らしく思いました。
 
正直言えば、多少強行日程で、すこしばかりくたびれましたが、それ以上にコロナ禍にあっても真摯に教育に取り組む各高校の様子と、Sei-Tanの皆さんの高校当時の状況も知ることができて、とても有意義な3日間でした。
 
学生の皆さん、皆さんは一人ひとり、親、家族はもちろん、高校の先生たちからも、私たちからも、総じていえば社会から見守られ、期待され、祈られている存在なのです。そのことを忘れずに、9月21日からの後期授業に臨みましょう。