金沢星陵大学女子短期大学部

学長室の窓から

飛ぶSei-Tan

10月15日

Sei-Tan「飛ぶ教室」。これは教室での学びから、地域や世界へ飛び出して学ぼうとする、Sei-Tan教育の特色を表す造語。エーリッヒケストナー『飛ぶ教室』(2020.7.6『飛ぶ教室』に思う)にちなんだ私の命名です。

もともとSei-Tanは2年間で地域のビジネスを学ぶ短大経営実務科。これまでも折に触れ、JA金沢、金沢地方裁判所、市内ホテルや企業様などとタイアップした現場に直結する教育プログラム、はては海外を含めた経営実務の視察や実地研修、さらに「ほしたび」や「ムーンショット・アブロード」など様々な学生支援プログラムなどを加え、大々的に「学内外の地域で学ぶ」姿勢を前面に打ち出してきました。これは短大のみならず、金沢星稜大学にも共通する教育手法です。その甲斐もあって、小規模大学部門で金沢星稜大学が「行動力」「対人力」「独創性」などの分野で高く評価され、日経キャリアマガジン・就職力ランキング日本一にノミネートされたことは皆さんご承知のとおりです。(残念ながら「短大部門」はないのですが、Sei-Tanは就職率で金沢星稜大学を上回ります。) さてSei-Tanの「飛ぶ教室」、今年度実施した中から2例を紹介します。

筆者撮影 秋も深まり、日の出はもう6時台(浅野川桜並木付近)

手塚ゼミナールの学生団体「コスメティックべコリン♡」は、昨年度から能登牛の応援活動を行ってきましたが、今年(2022年)度、5年に一度の和牛大会(通称和牛オリンピック)が10 月6 日~10 日に鹿児島県で開催されることになり、石川県ブース担当として8 名の学生が2 日間、現地に飛んで応援活動を展開しました。「牛肉×女子学生」という珍しいコラボレーションの地域貢献活動が話題となり、鹿児島県はもとより石川県内紙でも大きく取り上げられました。この詳細は担当したゼミ生や先生から詳しい報告が上がると思いますので、詳細はそちらをご覧いただくことにしましょう。

短大「情報化社会論実地研修」(辰島&ヨム先生ご担当)で、人文の学生さんたちを交えた一行が韓国ソウルへ出かけたことはすでにお知らせしました(9.15「様々な図書館」)。その折訪問したソウル市立大学から、この度、国際交流課を通じて「交流協定を結びましょう」とご提案をいただきました。このソウル市立大学、戦前の1918年京城農業学校に端を発し、現在では経済、経営、産業、都市科学など、7学部、学生数1万人を超える韓国内でも有数の名門総合大学です。日本では東京都立大学、学習院大学など全国の国公私立有名大学など25大学が協定校として名を連ねています。

本学は3千人規模の地方小規模大学ですから、さすがに格違いかと、こちらから交流協定を言い出し難かったのですが、コロナ後を見据えたいち早い訪問交流の再開と実施、双方の学生たちの熱心な交流、本学が地方の私大の中できらりと光る個性的な教育を展開し、就職力ランキング日本一になっていることなどが注目されたようです。韓国における若者人口の減少は日本以上に深刻で、ことに地方の私立大学は生き残りをかけた経営上の深刻な諸問題に直面しているとのことでした。金沢星稜大学やSei-Tanの様々な試みには学ぶものがあるとの先方のご判断のようです。 中にいるとよく見えないかもしれない本学/ Sei-Tanの良さの一つを「飛ぶ大学/Sei-Tan」として意識化しておきたいと思いました。ソウル市立大学ともやがて正式締結に至り、活発な交流が展開されるものと期待しています。

皆さん、「飛ぶSei-Tan」にますますご注目ください。