金沢星陵大学女子短期大学部

学長室の窓から

「Sei-Tan運動会」

12月25日

12月18日(土)、Sei-Tan「運動会」が体育館で行われました。今冬最初の寒波襲来。悪天候による交通機関の乱れなど心配されましたが、朝方には小康状態となり、無事開催にこぎつけました。スポーツ大好きの私もピンクチームに混ぜてもらい、ソフトバレーなど、楽しい一日(半日)を過ごしました。

実はこの運動会、学友会メンバーが、新型コロナ対策で十分交流の機会が持てなかった二年生に楽しんでもらおうと企画したものでした。現二年生は、昨年の入学から来春の卒業に至る二年間、対面授業から遠隔授業への変更、諸行事の縮小や中止など、もろに新型コロナの影響を受け続けた気の毒な学年でした。

企画・運営準備には、大変な時間と労力がかかったことでしょう。にもかかわらず「みんなに喜んでもらえたら、うれしい」。そう言って、朝早くから集合して、笑顔で運動会場設営や、用具の準備、進行運営に当たってくれるということに、感嘆の念を覚えました。単位がもらえるとか、バイト代が出るということではないのです。これって簡単にできそうで、なかなかできないことではないでしょうか。

自分の夢を叶えるとともに、他の人々に喜んでもらえることを為す。仏教でいう「自利利他」の心です。ほとんど地元の人々には自覚されていないかもしれませんが、北陸に根付く仏教の風土と信仰心の篤さは、特筆されるべき「文化資本」だと思います。金沢に赴任した当初、通夜や葬儀の席上、多くの参列者による「正信偈」(しょうしんげ)の自然発生的な大唱和に接し、人々の生活の中に高い精神文化が息づいていているのだと、驚きかつ感動したものです。

筆者撮影、高三郎山に冬が来た

こうした文化風土は、北陸地域、ひいては日本の最も誇るべき伝統的な精神文化の一つなのではないでしょうか。おそらく学友会の皆さんの家庭や地域でもそのような文化の中で、無言の教育がなされているのでしょう。尊いことです。彼女らのSei-Tanの学びが、本人はもとよりやがて地域を精神的にも豊かにする「自利利他」に結び付く日が来るのかもしれない。命あって、いつかその姿を見てみたいと思わずにはいられませんでした。

学友会の皆さん、そして支援・指導してくださった学生支援課の皆さん。お疲れさまでした。そしてありがとうございました。一年生の皆さん、どうかこのスピリットを来年も引き継いでくださいますように。

最後に本年しめくくりの笑い話。
学生さんたちと一緒にジョッギングやソフトバレーに興じていると、ある外部のカメラマンさんから声をかけていただきました。
「学長、お若いですね。若い女子学生たちに囲まれているからでしょうか?」
「ありがとうございます。でも銀行にお勤めの方にはかないませんよ。」
「えっ、どういう意味ですか?」
「銀行員さんたち、毎日大金に囲まれている間に、お金持ちになるのでしょうね。」「???!!!」

本年中、お付き合いいただきありがとうございました。良いお年をお迎えください。