金沢星陵大学女子短期大学部

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【クラスコミュニティ】第20回あすなろ青春文学賞「詩部門」優秀賞1名、奨励賞2名受賞

2026.03.19

1年次前期必修科目「クラスコミュニティ」において、国語表現を専門とする山田範子教授が担当した授業回で学生が創作した詩を「第20回あすなろ青春文学賞」(詩部門)に応募したところ、本学1年次3名が受賞しました。
「クラスコミュニティ」は、「読む・聴く・考える・書く・話す」というInput~Outputの学びを基本テーマとし、全体講義とクラスごとの演習を組み合わせて実施しています。演習では、各クラス担任が持ち回りで自身の専門分野を生かした授業を行っています。
山田教授が担当した回では、「詩の書き方と演習」をテーマに授業を行い、学生が創作した詩を「あすなろ青春文学賞」に応募しました。その結果、以下の3名が受賞しました。

学生のコメント

白山 夏鈴さん(経営実務科 1年次 富山県 富山いずみ高等学校出身)
第20回あすなろ青春文学賞詩部門 優秀賞『朝のバラ』

初めて挑戦した詩で優秀賞をいただき、大変嬉しく感じております。
この詩は、家の庭に咲いている薔薇を見たときの印象から着想して書きました。朝の静かな空気の中で、霧や水滴をまとった薔薇の姿が心に残り、心の不安や迷いと重なって感じられました。しかし、光を受けて輝く花びらを見ているうちに、不安な気持ちの中にもかすかな明るさが見えてきたように感じました。薔薇の姿を通して、一歩踏み出そうとする気持ちを表したいと思いました。
日常の中で感じた些細な思いや瞬間を言葉にすることの楽しさを実感し、評価していただけたことに感謝しています。今回の経験を励みに、これからも言葉で表現することに挑戦していきたいと思います。

朝のバラ

白山 夏鈴

赤いバラが香りをまいて私を導く
花びらを重ねて影をつくる
不安の渦が深くなって
冷たい霧に覆われる。
悲しそうな朝の庭

私の心に不安が募る
過去の思いが渦に取り込まれる

このままでいいか
心に問いかける。
バラの香りがかすかに希望を囁く

その囁きが響き合う
少しずつ、
夜の重さをそっと解き放つ

水滴が花びらに止まる。
水滴のなかに光が入る。
花びらがキラキラ光る
霧の向こうに
朝の明かりがつき始める

新たな風が庭を優しく撫でる。
バラの香りが溶け合う
赤いバラは柔らかく揺れている

光にそっと開かれる
輝く光、未来を呼ぶ
私は歩む、朝の一歩。

石井 ひかりさん(経営実務科 1年次 石川県 鹿西高等学校出身)
第20回あすなろ青春文学賞詩部門 奨励賞『揺れる私の中で』

今回、あすなろ青春文学賞の詩部門で受賞することができ、とても驚くと同時に嬉しい気持ちでいっぱいです。自分の中で感じていた思いや迷い、差し込む光のような小さな気づきを言葉にして、この詩を書きました。書いているときは、自分の気持ちがどのように伝わるのか少し不安もありましたが、このような形で評価していただけてとても嬉しく思います。これからも日常の中で感じたことを大切にしながら、自分らしい言葉で表現していきたいと思います。

揺れる私の中で

石井 ひかり

窓から差す光がまぶしいだけで
心はまだ昨日にいる気がした
アラームを止めながら
「また今日も」とつぶやいていた

誰かに届くはずの声は
自分の中でかき消され
うなずくことだけが
正解みたいに思っていた

鏡の中で練習するみたいに笑うふりをして
「大丈夫」が癖になって
あの日の私が
まだどこかに立ち止まっている気がした

うまくやらなきゃ
頑張らないといけない
そんなふうに自分を
ぎゅっと縛っていた

ふと見上げた空の隙間に
一筋の光が差していて
少しだけ、心がほどけた気がした

遅くてもいい
咲けなくてもいい
私だけの季節が
ゆっくりと巡ってくるから

小さな選択の一つ一つを
積み重ねるように
不器用でも前に歩く

揺れながらでも
ちょっとだけ、私は私を信じてみたい

あの日置き去りにした私を
やっと迎えに行ける気がする
曾我 泉さん(経営実務科 1年次 石川県 小松商業高等学校出身)
第20回あすなろ青春文学賞詩部門 奨励賞『夏を泳ぐ』

今回、人生で初めて書いた詩が奨励賞という形で評価をいただき、大変嬉しく思っています。普段の生活では詩に触れることがなかったため、どんな内容の詩を書くかとても迷いました。そこで、詩に触れることがない私が普段から抱えている、亡くなった祖母への想いをまとめました。拙いながらも私らしさが出た詩になったかなと思います。詩に触れるという貴重な機会を与えていただいたことに感謝し、今後も自分なりに詩に触れていきたいと思いました。

夏を泳ぐ

曾我 泉

夏の匂いがする

庭先のブルーベリーとリビングの観葉植物
日陰一つないバス停と海に続く砂坂
皺が深くなった手ともう二度と聞けない声

懐かしい匂いとそっくりな姿に振り向いても
そこにあなたはいない
声なんてどんどん忘れていって
あんなに鮮明だった思い出も
まるで最初からなかったみたいに
どんどん忘れていく

記憶の底にヒビが入って
そこから漏れるように
どんどん忘れていく
忘れないようにすればするほど
どんどん忘れていく

もう会えないという事実に直面するたびに
ひどく悲しくなって泣きたくなる
もう植物に水をやる背中を見ることも
もうバス停や砂坂まで一緒に歩くことも
手を握ることも話すことも
何もできない

あなたはいなくなった
私に何も言わずに

忘れていく自分と
それが当たり前になっていく自分
あなたがいないことが自分の中で
ゆっくりと、でも確かに当たり前になっていく
忘れていくことに不安になるけど
たとえ忘れてもあなたなら怒らないことを
私はとうの昔に知っている

大丈夫、あなたがいない世界でも
自分のペースで歩いていく
やっぱり寂しいけど
心配はかけたくないから

スーパーのブルーベリーは甘酸っぱくて
相変わらずバス停に日陰はない
足元の影は一人分
それでも
あぁ、今年もまた

夏の匂いがする