Sei-Tan News!
【現代教養a(朗読劇の実践と研究)】室生犀星記念館で作品理解を深めました
2025.11.18
現代教養a(朗読劇の実践と研究)では、金沢三文豪の一人・室生犀星の作品を取り上げ、朗読劇という表現活動を通して作品研究を進めています。この日は、学外授業として室生犀星記念館を訪れ、犀星が歩んだ生涯や創作の背景に触れました。
記念館では、幼少期の環境や文学者としての出発点、そして金沢の風土が育んだ独自の文学世界を展示や資料を通してじっくりと味わうことができました。学生たちは、記念館で得た発見や学びを生かし、今後の朗読表現に新たな彩りを添えてくれるものと期待しています。
記念館では、幼少期の環境や文学者としての出発点、そして金沢の風土が育んだ独自の文学世界を展示や資料を通してじっくりと味わうことができました。学生たちは、記念館で得た発見や学びを生かし、今後の朗読表現に新たな彩りを添えてくれるものと期待しています。
(文:担当教員 山田範子)
学生のコメント

経営実務科 2年次 K・Mさん(石川県 宝達高等学校出身)
今回、室生犀星記念館を回って思ったことは、犀星は文学を愛し、大切にしていたということです。それは多くの文豪と交流を深めていたり、戦争が起こっても文学は後世に残していくべきだなどと語っていたりしていたからです。また、自筆の資料を見て、先生が授業内でおっしゃっていた「犀星は自分に自信がなかった」という言葉を思い出しました。どれも字が小さく、薄かったからです。それでも多くの文章が残っているということはそれだけ強く文学を広めたいと考えたのではないかと思いました。

経営実務科 2年次 Y・Yさん(石川県 金沢泉丘高等学校出身)
室生犀星記念館を訪れ、金沢出身の作家でありながら、知らなかった一面を多く知ることができました。特に、猫を愛した人柄や他の文豪たちとの交流の深さに驚きました。有名な文豪とも交流があったことを知り、外交的な性格だったのではないかと感じました。展示を通して、犀星の詩や小説の背景にある温かさや孤独をより身近に感じることができました。
静かな空間の中で彼の生き方に思いを馳せる時間はとても心地よく、改めて金沢の文学の豊かさを実感しました。

経営実務科 2年次 N・Mさん(石川県 石川県立工業高等学校出身)
私の中で室生犀星は大人しい人という印象がありましたが、「実際は幼年期には喧嘩もするし肩もガチッとして杖を振り回すような人」という萩原朔太郎の第一印象の言葉に驚きました。また犀星に対して面白いと感じたのは、交友の深かった堀辰雄のことを「たっちゃんこ」と呼んで親しい関係にあったことです。このネームセンスは私も見習いたいな感じました。朗読で活かせそうと思ったのは、犀星が虫や動物、自然を愛していた点です。作品に自然や植物が出てきたときは、より犀星が描いている風景を想像しながら朗読したいです。

経営実務科 1年次 O・Sさん(石川県 宝達高等学校出身)
今回、室生犀星記念館に訪れて、室生犀星は友好的な方だったのだなと感じました。芥川龍之介と親交を深めていたり、萩原朔太郎と親友だったり、展示品を読んでいると様々な文豪たちと関わってきたのだと伝わってきたからです。私は中学時代に文豪が好きで、家族と一度室生犀星記念館に訪れたことがありました。当時の自分の捉え方と今回の自分の捉え方が変わったような気がして、とても興味深かったです。

経営実務科 1年次 T・Sさん(石川県 金沢伏見高等学校出身)
記念館では、室生犀星が幼少期に苦労しながらも、文学に情熱を注いでいたことや、「ふるさとは遠きにありて思ふもの」という有名な詩に込められた故郷への複雑な感情を学びました。また、手書きの原稿や愛用していた筆記具などを見て、言葉一つひとつに誠実に向き合う姿勢が伝わってきました。その丁寧な言葉遣いと、心情を細かく表現する力は、朗読にも活かせると感じました。今回の訪問を通して、単に文学作品を読むだけでなく、作家の生き方や思いを理解することの大切さに気づきました。室生犀星の人生と作品を知ることで、朗読の際にも言葉ひとつに込められた意味を意識し、より心に響く読み方ができるようになりたいと感じました。
