金沢星陵大学女子短期大学部

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【現代教養Ⅲ(文学Ⅱ)】米田猛先生にご講義いただきました

2022.11.14

11月11日(金)

長年、国語教育を研究されてきた富山大学名誉教授の米田猛先生に、「『よむ』とは、なにをどうすることか」というテーマでご講義いただきました。

小学校の国語科教科書に登場する説明的文章をいくつか取り上げ、行間をよむとは具体的にどういうことなのか、わかりやすくお話されました。
例えば、小学校1年生の教材「いろいろなふね」には、客船・フェリーボート・漁船・消防艇が登場しますが、なぜこの4種類の船が紹介されているのか、4種類の船の説明の順番にはどのような意味があるのか検討しました。一見、非常に簡単な文章でも、論理に注目して読んでみると深く考えられることを実感しました。

現代教養Ⅲ(文学Ⅱ)はストーリーマンガを読む授業ですが、一般的にマンガはさらっと読み流してしまうことが多いと思います。しかし、マンガも論理や意図を深く考えながら読むと新しい発見があるものです。特にマンガは画像を中心とした視覚情報があるので、考えを構築する際に根拠を見つけやすいと言えます。
私の恩師でもある米田先生にご講義いただき、これまで授業で読んできたマンガと説明的文章の読み方との接点を探ることができました。次回以降の授業では、よりマンガを深く考えながら、楽しんで読んでいきたいと思います。
(文:担当教員 山田範子 准教授)

参加学生のコメント

経営実務科 2年次 O・Sさん(石川県 金沢商業高等学校出身)
一見普通の文でも、批判的に考えてみることで疑問が生まれたり、共感的に読むことで理解を深めたりすることができ、文章を「よむ」ということの面白さを感じました。想像力や考察力を働かせることで、見えない描写を読み取ることができるのだと思いました。

経営実務科 2年次 Y・Mさん(石川県 金沢商業高等学校出身)
共通項を見つけ出したり、批判的な目線で話を読み込んでみたりすることがとても面白かったです。特に、「どうぶつのあかちゃん」という話が印象的でした。捕食者の肉食動物であるライオンの赤ちゃんと、被捕食者の草食動物であるシマウマの赤ちゃんとで、成長過程の違いを述べており、なぜ成長過程がこれほど違うのか、シマウマがこのように成長しなければならないのはなぜかを考えながら読むことができました。筆者の意図を読み解くことの面白さを強く実感できました。

経営実務科 2年次 M・Wさん(石川県 金沢商業高等学校出身)
「すがたをかえる大豆」は私が小学3年生の時に学んだ記憶があります。その際、大豆のように姿を変えるものは他に何があるか見つけるということが最終ゴールであったため、話の順序を考えることはありませんでした。今回の米田先生のお話を聞き、当時は考えることのなかった論理を検討し、自分なりの考えを深めることができただけでなく、異なる考えも知ることができ、多角的な視点から物事を見ることの面白さを知りました。現在学んでいる現代教養Ⅲ(文学Ⅱ)でもこのことを意識して勉強していきます。

経営実務科 2年次 Y・Aさん(新潟県 上越高等学校出身)
小学生から高校生にかけて学習した論説文は意味が分からないことも多く、理解できずつまらないと感じることもありました。結論だけを読んで文章を理解した気になっている時もありました。しかし、今回「どのような観点で文章が並んでいるのか」ということを考えながら読むことによって、筆者が最も伝えたいことを自分なりに考えることができました。様々な発見ができ、面白かったです。
経営実務科 2年次 S・Rさん(石川県 小松市立高等学校出身)
小学校から高校まで、どんな文章を読んできたか思い出しながら話し合ったのが楽しかったです。小学生の時は、声に出して読むことや、漢字を学習することに重きを置いていて、あまり文章の内容を理解できていなかったのだと思います。今回の講義で改めて読み直してみると、話の順序や、なぜその例が挙げられているのか等、当時は何も考えずに読んでいましたが、そこにはしっかり書き手の考えがあり、規則性があるのだと気づくことができました。何年も前に読んだ文章も批判的に読むことで見え方が変わって楽しいのだとわかり、もっと読む力をつけたいと思いました。