金沢星陵大学女子短期大学部

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【日本語表現法Ⅱ】米田猛先生にご講義いただきました

2023.11.29

私の恩師で、長年、国語教育を研究されてきた富山大学名誉教授の米田猛先生に、「『言語感覚』をみがく」というテーマでご講義いただきました。
ニギルとツカムはどう違うのか、コーヒーと珈琲、ごはん・めし・ライスはどう使い分けられ、どのような感じの違いがあるかなどを考えました。相手がどのように受け止めるか想像して言葉を選ぶ力は「言語感覚」の範囲であり、言葉選びはその言葉を発する人の人間性に関わっていることを教えていただきました。
(文:担当教員 山田 範子 准教授)

参加学生のコメント

経営実務科 2年次 O・Sさん(石川県 金沢伏見高等学校出身)
「ニギル」と「ツカム」は、今まで何も迷うことや考えることもなく、使い分けて来た言葉でしたが、違いを問われると答えるのが難しいなと思いました。みんなの意見や先生の意見を聞いて、それだ!と思ってすっきりしました。
「ごろごろ」や「ころころ」も、濁点の有無で頭の中で想像するものが違い、言語って面白いなと思いました。他にも、「明日」には3つの読み方があり、場面や話し言葉・書き言葉によって使い分けようとすることも言語感覚なのだと学べました。学んだ知識を早速家に帰って親に教えてあげました。

経営実務科 2年次 O・Mさん(石川県 金沢北陵高等学校出身)
米田先生の授業はとても楽しく、あっという間に時間が過ぎていました!「やばい」いう言葉は、私たちにとって多種多様な使い方をします。例えばご飯が美味しい時にも「やばい、美味しい」と言い表します。しかし、本来のやばいは「悪いことや危険なことが起こりそう」という意味だそうです。私も普段、やばいやばいとずっと使っていて、正しい日本語の使い方をしていないと気づくことが出来ました。国語界ではレジェンドの先生に会えて光栄です。またお会いしたいです!!!それくらい楽しい時間でした!

経営実務科 2年次 M・Hさん(石川県 小松市立高等学校出身)
米田先生の授業を受けて、言葉の伝え方は大切なのだと感じました。理由は、アルバイトで、お客様と言葉が通じ合えなかったことがあったからです。キャッシュレス決済をされたお客様のカード残高が不足していた時に、「お支払いはどうなさいますか?」と改めてお聞きし、「じゃあ現金で」と言われたので、キャッシュレス決済を取り消して現金払いに切り替えたのですが、 お客様が言われた「じゃあ現金で」とは、カード支払いで不足している金額を現金で払うということでした。支払いの列ができていたのに、だいぶ時間を浪費してしまって後悔しました。
この経験や授業の内容を通して、相手に伝わるように言葉を紡ぐことは大切なのだと感じました。

経営実務科 2年次 K・Mさん(石川県 小松商業高等学校出身)
「ニギル」と「ツカム」は普段から使い分けてはいたけど、あまり意識したことがありませんでした。しかし、二つの言葉には、手の使う面積の大きさや力の強さなど、違いがあることを知りました。
また、最後の方に盛り上がっていた「やばい」という言葉ですが、私も含め最近の若者は何にでもやばいという言葉を使っています。もともとは非常事態の時に言うのが普通だったため、年配の方からしたら何がやばいのか、と誤解することもあるのではないかと考えました。同じ言葉でも捉え方や感じ方が違うこと、多くの意味があることを知り、「言語感覚」って不思議で面白いなと感じました。

経営実務科 1年次 H・Mさん(石川県 金沢北陵高等学校出身)
米田先生の授業で特に面白いと感じたのは、ひらがなで書いてある場合と、漢字で書いてある場合で、捉える感覚が違うということです。コーヒーは、漢字で書いてあると「オシャレだ」とか「本格的なのかな?」とか思うのに対し、カタカナだと、「オシャレだ」という感覚にはならないので、すごくおもしろいと感じました。
言葉への関心が深まることによって、言語感覚を磨くことができるので、これからの生活で関心を深めることができるように意識していこうと思います。
経営実務科 1年次 Y・Nさん(石川県 宝達高等学校出身)
私たち目線でわかりやすく話してくださったので、最初から最後まで引き込まれるような楽しい授業でした。いつも自分たちが使っているような、似ている意味の言葉をふと考えてみたり、同じ意味や同じ言葉でも、カタカナかひらがなか漢字かで感じる雰囲気が違うのではないかと指摘される事で初めて、先生がおっしゃっていた通り、無意識下で「直観的」に使い分けていたことを実感しました。
今までは、自分が想像していた意味とは違う意味で使われる言葉を聞いた時に感じる違和感をそのままにしがちでした。しかしこれからは、「なぜ」、「どういう理由」で違和感があったのかを明確にしていきたいです。そうすることで初めて、このような違いを意識して表現したり、理解しないといけないという自覚が出てくると改めて実感しました。