金沢星陵大学女子短期大学部

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【研究】平泉助教の研究が「若手・女性研究者奨励金」に採択されました

2024.06.14

5/17(金)

日本私立学校振興・共済事業団の「2024年度若手・女性研究者奨励金」において、平泉助教の研究計画が採択されました。本奨励金は、研究者が自ら考案した研究計画を実現する機会を提供することで、私立大学等が取り組む特色ある多様な教育・研究を振興し、次世代の担い手となる人財を育成することを目的としています。

この日奨励金贈呈式が開催され、女性研究者奨励金の受賞者を代表して、私学事業団理事長から贈呈書を授与されるとともに、受賞者挨拶を行いました。
研究課題名は「創業期の地方の起業家に必要とされる人的ネットワークについて」です。この研究を通して、日本経済や地域の発展に寄与することを目指します。

平泉 沙由里 助教のコメント

この度は、2024年度「若手・女性研究者奨励金」に採択いただき、誠にありがとうございます。

分野を問わず、研究というものは決して、自分ひとりの力だけでできるものではありません。ご指導くださる先生方や先輩、所属する大学の教職員の方々、さらには家族の多大な協力と支援があって、はじめて成り立つものです。この場をお借りしまして、関係者の皆様に、まず、お礼の言葉を述べさせていただきます。  

私が大学院に進学し、研究の道へ足を踏み入れたのは40歳になる年のことでした。研究者としては非常に遅いスタートであったと思います。修了後すぐに、運良く、現在の勤務校にご縁があり、現在、無事に3年目を迎えました。着任1年目は、無我夢中のうちに、あっという間に過ぎてしまいました。少しばかり落ち着いてきた2年目からは研究を、そして研究費の獲得も大きな課題だと感じていました。  
そのような状況の中、年齢制限も研究分野の限定もない、この女性研究者奨励金の存在は私にとって大変魅力的なものでした。採択通知をいただいたときの、心が躍るような気持ちは今でも忘れることができません。応募課題を評価していただけたことを励みに、研究の発展に全力を尽くしたいと思っております。  

私の研究分野は「経営学」です。大学の教員になるまでは教育関係の会社の経営者でしたので、日頃から経営者、特に起業家に強い関心をもって研究を進めています。ご存じのとおり、日本における起業率は非常に低いのが現状です。そして、日本経済の状況から、既存の企業数も年々、減少傾向にあります。私は、日本経済の成長のためには、新しい企業の参入だけではなく、個々の存続企業が安定し、成長することが重要だと考えています。特に、企業の最初の形である「小規模企業」が、持続的に発展していくことで、その地域や日本経済の発展を促すものだと考えております。  
初期の起業家が、いかにしてその業績を向上させていくか、それを起業家の持つ「人脈」に着目して明らかにするのが今回の研究課題です。一般に、起業においては人脈やコネクションが重要だといわれます。しかし、開業する全ての起業家がビジネスに直結する人脈を豊富に持ち合わせているとは限りません。初期の起業家はどのようにして人脈を構築していくのか、また、それらには有効な構築方法があるのか。これを明らかにすることができれば日本企業の持続的な発展に貢献できると考えています。 本研究の成果により、初期の起業家だけではなく、潜在的な企業意識をもつ人々への支援策を提示できると考えています。私は特に、地方の起業家を対象にしておりますので、地方創生や地域活性化への有効な視点も提供できると考えています。 このような新しい課題に挑戦することができますのも、本奨励金のおかげです。「奨励」とは、文字通り「さらに励むことを奨める」ということを意味するものと思います。このことを忘れず、研究成果を社会へ還元できる日を迎えられるよう、一層の尽力を注ぐ所存です。 時々は、今回の採択通知とともに、あの「幸せな気分」を思い出しつつ、研究の発展に全力を尽くしたいと思います。