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NEWS & TOPICS [ 2022年度 ]

教えるとは希望を語ること。 学ぶとは誠実を胸に刻むこと

2022年04月01日 学長コラム

筆者撮影 浅野川の春

皆さんこんにちは。
2022年4月1日付で学長(短大兼)に就任しました大久保英哲です。これから4年間よろしくお願いします。学長としての公式メッセージやお知らせは、従来どおり、大学公式WEBサイトから発信されますが、「学長コラム」はややパーソナルな学長の思いを毎月初めに発信したいと思います。なお、2020年から連載している短大部「学長室の窓から」は、やや回数を減じて継続します。あわせてご覧いただき、ご叱正・ご批判いただければ幸いです。

さて「教えるとは希望を語ること。 学ぶとは誠実を胸に刻むこと」。これは フランスの詩人ルイ・アラゴン(1897-1952)の有名な言葉です。ナチスのフランス侵攻の中で犠牲となった教授や学生たちを悼んだ「ストラスブール大学の歌」の一節です(アラゴン(大島博光訳)『フランスの起床ラッパ』1945)。長い間、私は「教える」とか「学ぶ」ということの本質を突いた言葉として哲学的に受け止めてきました。

ところが、2022年2月に始まったロシア政府によるウクライナ軍事侵攻によって、多くの市民の生命が失われ、200もの学校が破壊されたと報じられています(北陸中日新聞、2022.3.27)。平和の中に生きるという最も基本的かつ本質的な人権が、21世紀の現代において、かくも簡単に侵害されることに驚きと憤りを禁じえません。首都キエフには国立キエフ大学(タラス・シェフチェンコ大学)ほかいくつかの大学があり、現実的にそれらが「ストラスブール大学の歌」状態と化しているのではないかと危惧します。

大学における学びは、人類の福祉、平和と人権の基礎であり、それを守り、また望む人々に提供することは、世界中の高等教育研究機関に課された共通の責務です。私は、この惨禍の一日も早い終息を願いつつ、ウクライナはもとより、戦争に反対するロシアを含む世界中の学生・研究者・教員の皆さんの人権を守り、差別・偏見にとらわれず、安心して教育研究に従事できるよう微力を尽くしたいと考えています。

本学に学ぶ皆さん、今一度、平和な中で安心して学べることの喜びと尊さに思いを馳せませんか。