地域連携

【地域連携/ボランティア】輪島市門前町でボランティア活動を実施しました

2025.06.23

6/8(日)

令和6年の元日、能登半島の北部中心に強い地震が発生し、特に輪島市は大きな被害を受けました。
門前町は行政上は輪島市に属していますが、朝市地区からは約20キロメートル離れた場所にあります。門前町は比較的山間の奥まった地域に位置しており、その名称は曹洞宗の大本山總持寺の「門前」、すなわち「門の前」にあることに由来しています。村は總持寺への参拝客に経済的に依存していた部分もあり、今回の地震とその後の影響は経済面でも大きな打撃となりました。

現在、總持寺では一部で再び拝観が可能となっており、令和7年6月8日に開催された市民まつりは、村の復興のきっかけとなる行事となりました。そこで、「輪島市民まつり門前町アンケート調査団体」はボランティアとして現地を訪れ、まつりの参加者や来訪者を対象にアンケート調査を実施しました。
アンケート調査の目的は、門前町観光協会、門前町商工会、輪島市教育委員会文化課など、地域の団体に対して来訪者や参加者の背景や意見、ニーズに関する情報を提供することです。
午前9時に金沢を出発。道中はほとんど道が修繕されており、1時間40分で門前町に到着しました。
到着後、輪島市が運営する「禅の里交流館」の係員の方にご挨拶し、打ち合わせを行いました。その後、現地を下見して、アンケート調査を実施する場所を決めました。
地元の音楽団体や学校のクラブが、禅寺の入口向かいの広場で演奏をしており、学生たちはクリップボードを手に来場者や参加者の方々に声をかけ、アンケートの協力を仰ぎました。

アンケートデータの集計は未完了ですが、暫定的な結果として、調査対象となった多くの方が門前町の住民で、中には復興活動を担当されている外部の方々も見受けられました。
回答には高齢者はもとより、若い世代向けの文化イベントが地域で開催されることを望む声も多く、学校やクラブ活動などを通じて、地域が若者にとってより魅力的な場所になることを期待する意見も多く寄せられました。
(文:担当教員 バイヤー・アヒム)

学生のコメント

人文学部国際文化学科 4年次 O・Uさん(石川県 七尾高等学校出身)
私自身が能登出身で、特に門前町には縁があり、生まれてから毎年行かせていただいているのですが、震災後は訪問する回数がかなり減っていたので、久々に門前町の人々と触れ合うことができる良い機会でした。
アンケートをさせていただいている最中にも、知り合いの方やご家族の方に「アンケート手伝ってあげて」と声かけをしてくださったり、他の県からいらしたボランティアや団体の方々も協力してくださったりなど、本当に皆さん門前町への愛が強く、温かさも再度実感しました。どの方にお話を伺っていても、門前町に活気が戻ってほしい、という思いを共通して持たれていたので、私自身もできる形で門前町や能登、石川県全体に貢献していけるような活動を続けていきたいと改めて感じました。

短大部経営実務科 1年次 F・Aさん(通信制 第一学院高等学校出身)
私も能登半島地震で被災した身ですが、輪島は私の地元より被害が大きいうえ、 豪雨も襲い掛かり、長い間心配していました。今回初めて輪島市民まつりに参加して、あまり輪島に訪れたことのなかった私には、災害に負けず活気に満ち溢れているように見えました。
しかし、インタビューを進めていく中で、若者が減り、以前のような活気がなくなってしまったということを何度も耳にしました。能登半島地震発生から時が経ち、ニュースなどで報道されなくなってしまった現在でも、私たちの見えないところで地震の爪痕は強く残っているようです。
今までのようにただ復興を願うだけでなく、実際に何か働きかけることができて大変嬉しく思います。今回実施したインタビューが少しでも力になれたら幸いです。