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【こども学科/フィールド基礎演習】金沢特有の子どもの着物文化を学びました

2021.10.26

10月21日(木)

こども学科2年次の必修科目「フィールド基礎演習」において、身近な文化がこどもの成長・育成に果たす役割を理解し、さらに文化伝承の資質の向上を目的として講演会を開催しました。講師は、呉服店「ゑり華」店主ならびに加賀染織物保存会代表を務める花岡央至氏。
花岡氏は、様々なメディアに出演され、金沢の着物文化の伝承のために尽力されています。

今回の講演のテーマは「加賀お国染にみる北陸の環境と子育て」。
会場には、花岡氏が所蔵するコレクションの一部である、洋服が流通する前の金沢のこどもが身に着けていた着物や、当時の掛ふとん、花嫁のれんや風呂敷、着物の基になる反物など、数々の貴重な品が披露されました。
それぞれの特徴や歴史に加え、武家社会と言われた金沢特有の独自の文化がどのように着物に反映されているかなどお話しいただきました。

北陸の厳しい冬を乗り切るためにこどもの着物には綿が入っていたり、魔よけとして「背守り押絵紋」が施されていること等を聞いた学生たちは、興味深そうにコレクションに目を向けていました。

学生のコメント

人間科学部こども学科 2年次 T・Aさん(石川県 金沢高等学校出身)
風呂敷の裏につぎはぎがされていたり、四隅に補強がなされていたりと、物を長く大切に使っている点が印象に残りました。また、加賀のお国染めとして自然や四季が着物のデザインに反映されていて、石川県の魅力が詰まっていてとても素敵だと思いました。今回、自分が学んだ文化をこどもたちに伝えたり、こども達と一緒にさらに学んでいきたいと思います。
人間科学部こども学科 2年次 O・Kさん(石川県 星稜高等学校出身)
「加賀のお国染め」という言葉を初めて知りましたが、花岡さんのお話を聞いて“着物”というものが身近に感じられました。京都の華やかさとは違う、金沢独自の季節の移り変わりなどを美しく捉えている様子が伝わってきました。また、こどもの着物にもしっかり意味が込められていて、今まで知らなかった金沢の文化を知ることができました。

人間科学部こども学科 2年次 T・Yさん(石川県 星稜高等学校出身)
ハレの日に特別なものを身に着ける文化は、その日を大切にするという思いを感じました。こどもの着物に綿が入れられていたり、背丈が低くても着ることができるようになっていたりするのは、こどもの日々の成長に感謝する先人のあたたかな思いやりの心が表現されているのだと思います。派手なものでなく、素朴なものを楽しむという文化も素敵だなと感じました。