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【経済学部/渡邉ゼミナール】空室の活用を通じたSDGsの実践をテーマに共創インターンシップを実施しました

2021.12.22

12月9日(木)、12日(日)

令和3年度大学コンソーシアム石川『大学生の地元定着推進支援事業』採択課題「石川県中小企業家同友会との企業価値共創事業」の一環として、3年次渡邉ゼミの学生が、石川県中小企業家同友会と連携し、共創インターンシップを実施しました。

近年、人口の減少や住宅の供給過剰を理由として、集合住宅の空室が増加しており、石川県の賃貸物件の空室率は14.24%となっています。学生たちは、野々市市を中心に不動産事業を手掛けている株式会社絹川商事とともに、持続可能な開発目標であるSDGsの視点から空室の活用方法を考案することをテーマに活動しました。

1日目は、絹川商事が管理する物件の空室を視察し、部屋を改装することによってどのような価値が付加されるのかについて学びました。明治の学び舎をモチーフに建設された物件「集学館」の見学を通じて、コンセプトを具体的な形にすることの意義を理解することができました。
2日目は、グループワークと報告会を実施しました。SDGsの17の目標のうち、空室の活用を通じて達成できるものを選択し、達成に向けた具体的なプランを、絹川商事の若手社員の皆様とともに考案し、報告しました。

(文:担当教員 渡邉和道 准教授)

学生のコメント

経済学部経済学科 3年次 N・Aさん(富山県 福岡高等学校出身)
私たちのグループは、SDGsの実践のみならず、野々市市の抱える様々な課題も同時に解決することを目指して、アパート空室の有効活用について考えました。SDGsの目標1「貧困をなくそう」と目標4「質の高い教育をみんなに」を踏まえた「学びなおしのための学習塾」を提案しました。これは、経済的理由から塾に通えない子ども達や、不登校の生徒、教育を受ける機会に恵まれなかった高齢者が、平等に質の高い教育を受けられるよう、空き部屋を学習塾に改装するというものです。しかし、収益がなければ物件を維持することができないため、人件費と家賃をいかに抑え、どう賄うかという点が問題となり、議論が白熱しました。 普段の大学の授業においても、課題解決に向けた案を考える機会はありましたが、今回の活動では提案の実行可能性や物件・事業の収益性を特に考慮する必要があり、納得のいく形にまとめるには時間が普段の何倍もかかりました。私たちは、大学生に教育実習の場として学習塾を提供することで人件費を削減できると考えましたが、絹川社長と渡邉先生に講評していただいた際には、私たちが考えた案以外の様々な方法があることを知り、勉強になりました。今回の活動を通じて、世の中に提供されているサービスは、沢山の人が意見を出し合い議論を重ねた末に実現しているということを実感しました。

経済学部経済学科 3年次 M・Nさん(石川県 金沢伏見高等学校出身)
私たちのグループは、アパートの空室をフリマ活用して、アパートの住民と地域の人々の交流できる場を作ることを目的に活動を行いました。フリマは300均一とし、フリマに出すものは本や服に絞り、主にアパート住民の使わなくなったものを回収する方法を考えました。この使わなくなったものを再利用することはSDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に繋がるという意見が出ました。空室をフリマ活用すると同時に、一人暮らしの高齢者による子どもたちへの本の読み聞かせや、地域に住む学生による子どもたち向けの勉強会を行うことによって、世代を超えた交流ができ、目的を達成できると考えました。
今回のインターンシップで特に困難だったことは、収益を考慮したプランを提案することです。社員の皆様に専門知識を踏まえたアドバイスをしていただいたおかげで、私たちの学生らしい課題解決案を、より実践的なものにすることができたと考えています。ありがとうございました。