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【こども学科/フィールド基礎演習】金沢特有の子どもの着物文化を学びました

2022.10.18

10月13日(木)

こども学科2年次の必修科目「フィールド基礎演習」において、身近な文化がこどもの成長・育成に果たす役割を理解し、さらに文化伝承の資質の向上を目的として講演会を開催しました。講師は、呉服店「ゑり華」店主ならびに加賀染織物保存会代表を務める花岡央至氏。
花岡氏は、様々なメディアに出演され、金沢の着物文化の伝承のために尽力されています。

今回の講演のテーマは「加賀お国染にみる北陸の環境と子育て」。
会場には、花岡氏が所蔵するコレクションの一部である、洋服が流通する前の金沢のこどもが身に着けていた着物や、加賀友禅の振袖、花嫁のれんや夜着(掛布団)、着物の基になる反物など、数々の貴重な品が披露されました。
それぞれの特徴や歴史に加え、武家社会と言われた金沢特有の独自の文化がどのように着物に反映されているかなどお話しいただきました。

北陸の冬の寒さに加え「暗さ」の中でも、間仕切りとして大きな役割を果たしていた暖簾の柄や色味の特徴などについても、実演しながら説明をしていただき、学生たちは興味深く見入っていました。

学生のコメント

人間科学部こども学科 2年次 T・Mさん(富山県 富山東高等学校出身)
今回のお話の中で特に印象的だったのは、糸自体に色を付ける方法と、色の境目をはっきりさせて染める方法の2通りあると教えていただいたことです。手先の器用な日本人の職人だからこそできるのではないかと思いました。また、金沢は戦災被害に遭っていない故に伝統文化が残っていると聞き、本当に奇跡だなと感じたとともに、“当たり前が当たり前ではない”ことを理解していきたいと思いました。振袖の袖が長いのは「幸せを呼び込むため」ということも知り、これから前撮りや成人式で振袖を着る機会があるので、込められた願いを事前に知ることができて良かったです。
人間科学部こども学科 2年次 T・Aさん(石川県 小松高等学校出身)
昔ボロだったものを集めてミュージアムに展示したり着物や暖簾になっていることに驚きました。信念を持って集めればボロでも貴重な品々になるのだと思いました。特に、外側から中が見えないよう工夫された暖簾や、体の成長に応じてサイズが調整できるような子どもの着物があることに感心しました。現代のように機械や電子機器が無い時代だからこそ考えて作られていたことが心に残りました。グローバル化が進んでいる今の社会では、外国のものが沢山入ってきていますが、そうした時代だからこそ、日本の伝統文化を大切にし、受け継いでいかなければいけないと強く思いました。

人間科学部こども学科 2年次 T・Mさん(石川県 金沢西高等学校出身)
これまで着物を着る機会があまり無かったのですが、今回お話を聞いて着物というものを身近に感じることができました。反物と言われる一枚の長い布からできていて、型紙無しで作られていることを知り、着物を作る職人さんの技術がとてもすごいものだと感じました。大人用の着物を子ども用に仕立て直して上手に布を使いまわしていたそうです。現在は、服が小さくなったら自分より小さい子どもにおさがりとして服自体をあげていて、江戸時代の着物のように作り直すという行為はなかなか無いので、当時の人たちの布への愛着は見習うべきものがあるなと感じました。