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【金沢星稜大学市民講座】(第94回)「オリンピック・パラリンピックの光と影」を開催しました

2023.11.06

9/16(土)

今回は、笠原 亜希子 人間科学部講師が標題のテーマで講義を行いました。

今回の講座では、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、「TOKYO2020」という。)が閉幕して2年を迎えた今、スポーツの見えるところにもってくる力と、スポーツの「光と影」はどのように関係しているのかについて、そしてTOKYO2020のオリンピックレガシーについて、石川県からの視点で考えました。 ここでいう「オリンピックレガシー」とは、開催都市、開催国に残す「長期にわたるポジティブ、ネガティブな影響」を指します。インフラの整備や新しい競技場など形があるものをレガシーととらえがちですが、そういったことではなく、人間の心や生き方、生活にレガシーを残すべきだとされています。



 石川県は木場潟に、NTC競技別強化拠点として「カヌー競技場」を有し、選手たちの活動を県全体でサポートしています。過去には、このカヌー競技場で、禁止薬物事件が起こってしまいました。その際に、選手とスポーツの間のみで起こってしまった出来事ではなく、社会の問題、社会の責任であると捉え、対策を講じた結果、TOKYO2020では日本人のドーピングゼロという結果を生み出しました。 この石川で起きてしまった出来事は絶対に風化させてはいけないものであり、またカヌーという競技だけではなく、すべてのスポーツに関連することです。スポーツ団体や選手個人のものだけではなく、地元で一緒に生きていく人、社会のものでもあるという見方は欠かせないとされたことは石川のレガシーとしていいのではないでしょうかと述べられました。 最後に、スポーツの見えるところにもってくる力、これを良い・悪いのものさしで測るだけでなく、全員で支えていく、単に美談で終わらせるのではなくみんなでどうやっていくかを考えていくことが重要だと締めくくりました。

参加者からは、「スポーツやオリンピックについて、見てただ楽しんでいただけだったのでこういった視点や考え方があるのだと知るいいきっかけになりました」などと感想をいただきました。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

笠原 亜希子講師の研究紹介

【学内助成(個人研究)】
「スポーツプロモーションの「身体性」をめぐる構築主義的アプローチ