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【金沢星稜大学市民講座】(第95回)「大乗仏教の秘密」を開催しました

2023.12.14

10/7(土)

今回は、バイヤー アヒム人文学部教授が金沢市昌永町にある曹洞宗本源山廣誓寺にて、標題のテーマで講義を行いました。

大乗仏教は、自分自身だけではなく多くの人を助けて人の役に立つという教えです。 日本仏教の諸宗派は、この「大乗仏教」に属し、仏、菩薩などを拝み、智慧と慈悲を養う教義です。しかし本来のインドの大乗仏教には、「密意説」もしくは「隠密説」があり、その内容と理由について今回の講座で再考しました。

大乗仏教とは先述の通り、自分自身の解脱のみならず他人の世話をすることが大切であるという教えでありこれは慈悲と言われます。観音菩薩はこの考えを表す典型的な菩薩であり、 慈悲ともう一つ智慧という特徴も持ちます。智慧は、仏法を広く深く知るということです。 また、大乗仏教において「空」という考えが重要なものとして挙げられます。この世界は夢みたいなもので徹底した本質はない、「空」の状態であっても現れる、何もないというわけではないという考えです。 しかし、「空」の教えは誤った使用で毒にもなりえる薬のようだと例えられるように、人によって誤解を招く恐れがあるとされ、これを理由に大乗仏教は秘密にされてきました。そうした背景をもとに、学僧が活躍した寺院の建物の写真等を用いながら、『解深密経』の三転法輪や、奈良仏教の「法相宗」と「俱舎宗」との関係について説明されました。

講義終了後も参加者の方から質問のほか、ご自身の考えを述べられるなど有意義な時間となりました。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

バイヤー アヒム教授の研究紹介

【学内助成(個人研究)】
「Buddhism in East and West」