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【金沢星稜大学市民講座】(第96回)「『情報の海』に溺れないための情報リテラシー」を開催しました

2023.12.19

10/25(土)

今回は、山本 輝太郎 総合情報センター講師が標題のテーマで講義を行いました。

現代社会はSNS等の普及もあり、「○○は体に良い」、「●●を食べると病気になる」などといった情報にあふれています。そのため、こうした情報の真偽を自ら判断しようとする姿勢が必要になります。そこで今回の講座ではこの巷にあふれる情報の見抜き方のポイントについて講師が自身の研究知見をもとに解説しました。


情報を見抜くうえでまずポイントとなるのが、「完全なデマ」である情報は実はあまり多くないということです。その事柄が真である確実性の度合い、蓋然性が高い情報かどうかを考える必要があります。もう1つ大事なポイントは、「科学と疑似科学の間には膨大なグレーゾーンが存在し、線引きは簡単ではない」ということです。 その中で科学性を見極めるため、理論の観点・データの観点・理論とデータの観点・社会的観点の4つの観点で情報を見ていくことが大切です。 また、人間の心の仕組みも情報の判断に大きく影響を及ぼすとされています。 人間は通常、理性と直感の二層で意思決定をし、行動します。直感だけで判断してしまうと誤って情報を判断しかねません。 

今回の講座を通して、 情報の根拠の「強弱」を読み解き、心の偏り・認知のひずみに注意しながら情報を判断していく必要があるということを感じていただけたのではないでしょうか。

参加者からは「情報の取捨選択の基本的な価値観を私でも分かるようにかみ砕いた言葉で説明されてとても想像しやすかったです。正しい知識を身につけることの大切さをいま一度考え直す機会となりました。」など多くの感想をいただきました。 ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

山本 輝太郎講師の研究紹介

【学内助成(個人研究)】
・「スポーツプロモーションの「身体性」をめぐる構築主義的アプローチ

【科学研究費(代表・若手)】
・ゲーム教材とチャットbotを活用したオンライン科学リテラシー教育プログラムの開発

【科学研究費(分担)】
・科学の生産と消費を融合させた科学メディアリテラシー育成モデルの構築
・消費者の批判的思考を増進させる市民リテラシー教材向けプラットフォーム構築の研究

【近著】2024年1月下旬発売予定
『科学がつきとめた疑似科学~賢く生き延びるための「科学リテラシー」の教科書~』(X-Knowledge エクスナレッジ)