地域連携

【いしかわ共創インターンシップ/土屋ゼミナール④】2月の最終報告に向けた個別報告を行いました

2026.01.08

12/25(木)

土屋ゼミナールの土屋仁美准教授とゼミ生が、2025年度の「いしかわ共創インターンシップ」における個別報告会を実施しました。
「いしかわ共創インターンシップ」は、従来の「職業体験型」とは異なり、ゼミ単位で振り分けたパートナー企業の経営課題にゼミ生が向き合い、アイデアを導き出すまでのプロセスを体験することで経営側の視点を養う「課題解決型」のインターンシップです。

土屋ゼミナールのパートナー企業は、金沢市を拠点にカレーのレトルトパックの製造販売、福祉施設の給食、食材の宅配など「食品関連事業」を主とする『ケービーエフ株式会社』です。同社が今回の「共創インターンシップ」で提示する課題は、2025年からの新事業で、現在はレトルト製品の箱詰めなどの一部業務を任せている福祉就労継続支援施設『self-A・HOPE泉』を「より有効かつ有益に活用する方法」となっています。
『ケービーエフ株式会社』は、優れた集中力と勤勉性を持つ障がい者が「外部からの単発発注だけでなく、継続的にスキルを発揮し、向上させ、安定的に収入を得られる」業務を自社内で生み出すため、学生ならではの新しく、思い切りのいいアイデアを求めています。

今回の個別報告会には、11/27(木)の中間報告に引き続き、『ケービーエフ株式会社』代表の東克也さんと部署長の中島椎也さん、『self-A・HOPE泉』の管理者である上田茂美さんの3名が参加しました。各班は前回提示した複数の原案を企業側のアドバイスをもとに絞り込み、深掘りした内容のものをスライドにまとめ、案によっては成果物のサンプル品も用意するなど、各班が万全の体制で発表に臨みました。

学生たちが用意した手作りのサンプル品の数々

各班による個別報告は、『ケービーエフ株式会社』本体で取り組む「SDGsの見える化」の提案発表から始まります。2番目以降の班は『self-A・HOPE泉』で新たに取り組む作業内容について発表し、「ネイルチップの作成と販売」「水引アクセサリーの作成と販売」「型抜きによる食材調理の装飾補助」「ペーパークラフトによるテーブルアレンジサービス」「ピニャータ(お菓子の入った紙製のくす玉)の作成と販売」と、計6班の報告と提案が行われました。

「ピニャータ」班によるくす玉(ピニャータ)割りの実演

各班が持ち時間以内でまとめた提案を真剣なまなざしで見届けた東代表らは、技術習得の過程や販売方法、経費や利益などビジネスとして成り立つ根拠や詳細、オリジナリティの盛り込みまで、中間報告で求めた課題を次々とクリアしてきたゼミ生の努力の成果と取り組み姿勢に感心した様子で、質問や実演の場面では笑みがこぼれる場面も多々ありました。

最後に総括を促された東代表は、学生たちのアイデアに可能性を感じ、学びのある発表も多くあった点をたたえ、代表自身も各案が形となるよう、経営者仲間に相談したり実際に試すなど、あらゆる可能性を模索する意向を示しました。残った課題については、ゼミ生それぞれが2月の最終報告会に向け、ブラッシュアップをやり遂げるよう期待を込めてエールを送りました。

学生のコメント

経済学部経済学科 2年次 S・Mさん(富山県 桜井高等学校出身)
中間発表からこの日まで、よりビジネス的な視点を広げ、価格やターゲット層、費用など、細かい部分を突き詰めました。企業側に「良い案」だと思ってもらえるプレゼンにするため、メリットや改善策を考えるプロセスには苦労が多く、実際に発表を終えて課題も見つかりましたし、自分の考えたことを相手に伝えるための工夫の必要性や難しさを痛感しました。ただ、これらのさまざまな過程が自身の視点を広げてくれていますし、一連の経験は今後の学校生活や就職活動にも役立っていくと思っています。
経済学部経済学科 2年次 O・Hさん(石川県 金沢伏見高等学校出身)
中間発表時に指摘された点を踏まえて情報を調べ直し、そこから想定されるターゲット層を明確にし、継続的な販売を実現するためにはどのような工夫が必要なのかをグループで話し合い、内容を整理して今回の発表に臨みました。個別報告を終えた今、1つのテーマに対して意見をまとめ、相手に伝わる形で提案することの難しさを強く感じましたし、自分自身の知識の不足を実感する中でより多くのことを学ぶ必要があると感じています。また、発表後の意見交換でまだ改善できる点があることがわかり、提案内容の具体性や聞き手に伝わりやすい説明の工夫など、今後の課題だと思えるものも見つかりました。
この「共創インターンシップ」全体では、「企業からの意見を受けて内容を見直す」という過程で、今まで知らなかった視点や知識を学べています。この機会に得られる経験や反省点を、今後の学修や3、4年次のゼミ活動に生かし、より深く考え、主体的に意見を発信できる人になりたいです。

「水引」班による報告の様子

経済学部経済学科 2年次 M・Nさん(石川県 星稜高等学校出身)
今回の個別報告は、前回の中間発表よりも細かく丁寧な説明を取り入れることができましたし、水引を用いたアクセサリー風のデザインにするという「高齢者側の視点に立つ」という点でもしっかり考え、まとめられたと思います。この一連のプロセスで、最終的にいい形まで持っていくためにはそれなりの工夫や改善策がすごく重要だということが実感できましたし、グループワークや企業との関わりで、個人的にも成長できたと思います。
今後も、基礎専門ゼミナールで培ったチーム力やプレゼン力を生かし、さまざまな課題と向き合っていきたいです。
経済学部経済学科 2年次 O・Aさん(石川県 金沢伏見高等学校出身)
中間発表で指摘された点のブラッシュアップに取り組むうえで、何をさらに考え、どのような視点から見ていけば良いのかをグループで考えながらより、良い提案ができるよう努めました。目的や利点、課題など「今、考えなければいけない」部分を明確にし、どのように自分たちなりに考えたのかをまとめ、価格帯などを細かく分けるなど、具体的にどのようにすれば良いのかも考えながら、企業の方々に見えやすい資料を作ることができたと思います。
「共創インターンシップ」は、「企業の利益を生み出す」行為や提案には、想像以上に深い「踏み込み」が必要であることを学ぶ機会になりました。利益や費用、販売戦略など、一つではなく、さまざまな視点から物事を考える大切さを知ることができましたし、その力も身に付けられました。そして、もともと苦手だった「人前での発表」を経て、勇気を持てたと感じています。

「SDGs」班による報告の様子

経済学部経済学科 2年次 T・Hさん(石川県 金沢西高等学校出身)
個別報告に向け、イメージと近い画像を探し、パワーポイントを作成するなど具体的な内容を詰めつつ、SDGsとの関連や取り組んだ際の利点についても考えながら準備を進め、当日は、障がいを持つスタッフの方々が取り組むことを考慮した安全性や簡便性に配慮した案を発表しました。
アイデアを出すまでは簡単でも、実際に取り組むとさまざまな問題や困難が出てきて「新たな事業は、簡単には始められない」という点に気付かされ、メリットやコストなど現実的な要素をとらえ、考えて行動することが大切だと実感できたことは私にとって大きな収穫となりました。
今後は何事においても、何に取り組めばいいのか、どのようなメリットがあり、その一方でどのくらいのデメリットやリスクがあるかなど、現状や全体を踏まえた上で決めるよう心掛けたいと思いました。
経済学部経済学科 2年次 I・Sさん(石川県 野々市明倫高等学校出身)
グループで個別報告用のスライドを作る際、簡単に作成できるものの方が作業内容としてより取り入れやすいと考え、実際に調べ、作りながら提案内容を決めていきました。中間報告での改善点を意識して行った発表は、より説得力のあるものにはなりましたが、自分で気付いていない部分にかかるコストがあることがわかり、もっと細かい部分まで考える必要性を感じています。
「共創インターンシップ」では、実際に企業の現場を見て、どのようなことをしているのかがわかり、提案内容の方向性や難しさなどを把握できましたし、なによりも企業の方に意見を発表するという初めての経験が、貴重なものとなりました。案を出すプロセスで、1人では思いつかないような考えもメンバーとの話し合いの中で出てきて、選択肢が増えた手応えも、自分にとっての収穫だったと思っています。