【地域連携／ボランティア】能登の今を知り、体感し、創造的復興に向けた未来を考える活動を行いました

7/12(土)～13(日)

金沢星稜大学と金沢星稜大学女子短期大学部、そして上越教育大学大学院に在籍している大学院生による「能登の今を知り、体感し、創造的復興に向けた未来を考える活動」が2日間にわたって行われました。

1日目はまず、石川県が掲げる復興プランや金沢星稜大学としてどのように創造的復興に取り組んでいるかの説明が行われました。
また、金沢星稜大学で開講している創造的復興論の1コマを担当している、経済学部経済学科 佐藤 将講師による「地図から読み取る災害情報 」をテーマとした講義が行われました。
講義終了後、のと里山里海ミュージアムにも立ち寄り、学芸員の方からの詳細な説明を聞き、能登の歴史や伝統を学ぶ機会を得ることができました。宿泊先の七尾市にある石政旅館に到着後、震災後に復興支援に携わっていた「のと中高生復興プロジェクト」の発起人の方々との交流会を実施しました。
活動の経緯や思いなどを聞き、参加者同士で大変積極的な意見交換も行われました。

2日目は宿泊した石政旅館を経営されているご夫妻に、震災発生直後の状況や震災後に旅館を営んでいる中でどのような影響があったかなどについてお話を聞くことができ、学生からの質問にも丁寧にお答えいただけました。
旅館出発後は、海底が隆起して漁港としての機能を果たせなくなっている黒島漁港の状況を実際に見ることができました。また、バスで輪島市内へ移動し朝市の状況や珠洲方面へと向かう道路の著しい変化の状況を道中見ることができました。
珠洲で伝統的に行われている揚げ浜塩田施設が本活動を行う直前に再開しており、その様子を見ることもできました。最後に見附島に立ち寄り、景観や植生の変化などを観察することができました。

本活動ではさまざまな知識を得ることを目的としていましたが、その知識をただ頭の中に留めるのではなく、将来どこかで活かすことができるのではないかと考えながら実際の能登の現状を見ていくことができました。短大生や大学生、大学院生がこの活動で得た経験は、中長期的な被災地の創造的復興につながる活動になったように思います。

経済学部経済学科 3年次 T･Aさん（富山県 呉羽高等学校出身）
今回の活動を通し、多くのことを学ぶことができました。まず、主体性の重要さについてです。のとプロの久保さんは、高校生でありながらインスタグラムのストーリーを投稿し、その投稿を見た友達などが賛同することでのとプロはできていったという経緯がありました。このストーリーの投稿がなければ、のとプロ自体が生まれることはなく、能登の被災に対する協力意識やこれからのための減災、防災意識に貢献することはなかったと考えると、初期段階の主体性や行動力といったものの重要性を学ぶことができました。
次にハザードマップによる避難方法や避難場所の定着を進め、減災意識を強めることが急務であると感じました。僕自身、災害に対する意識は強めていかないとと思う一方、実際災害が起きたらどこに避難すれば良いかなどは大雑把にしか把握しておらず、石政旅館のご主人もどこに逃げたら良いかパニックになったとおっしゃっていました。このお話を聞き、意識改革による減災は必要不可欠なものであると実感しました。
また、災害時の行政の対応は、より正確な対応をしなければならないと感じました。石政旅館のご主人の話によると、本来は立体駐車場が避難場所であるのに市民が焦って市役所に押し寄せ、市役所職員も受け入れざるを得なかったと聞きました。自分は公務員志望なので、この問題点を聞き、将来に刺さる良い気づきを得ることができたと思っています。

人文学部国際文化学科 3年次 Y･Hさん（石川県 金沢錦丘高等学校出身）
今回の活動を通して、常に何かを学び続けたいという思いが強くなりました。テレビやインターネットで情報を得るだけではなく、実際に現地に赴き生の声を聞くことの大切さを実感しました。黒島漁港を訪れ、隆起して砂浜となった様子を目の当たりにしたとき、そのインパクトや地震の影響の大きさはテレビで見た映像以上に心に迫るものがありました。現場を訪れたからこそ得られた実感や学びがあると強く感じました。
まだ高校生でありながら、自分の思いを発信し、実際に行動へと移している人たちの姿に驚かされました。その行動力や継続力は私にとって大きな刺激となり、私も彼女たちのように何かのために行動し続けられる人間でありたいと思うようになりました。この経験を通して、地域創生への関心も芽生えたと感じています。
さらに、防災意識を日頃から持つことの大切さも改めて感じました。災害は急に発生し、考えて行動する猶予を与えてくれません。日々の訓練や備えを怠らず、地域や社会に貢献できる人間になりたいと思っています。