地域連携

【ちいプロ/ITCSP】紅葉シーズンのひがし茶屋街で見えた、新しい金沢の工芸のかたち

2025.11.12

11/6(木)

星稜ジャンプ地域活動プロジェクト活動団体「ITCSP(ISHIKAWA Traditional Crafts Spread Project)」は、石川県の伝統工芸品の美しさや技術の素晴らしさを伝え、実際に触れたり体験できる企画を通して、若い世代にも伝統工芸品をもっと身近に感じてもらえる機会をつくるべく活動しています。
今回は紅葉シーズンで賑わう観光地(ひがし茶屋街)で行われている工芸品の展示や販売方法を調査し、石川県立美術館やいしかわ生活工芸ミュージアムで開催されている伝統工芸に関する様々な展示会へ訪れました。

7月に訪れた時よりも、ひがし茶屋街には多くの観光客の姿が見られました。紅葉が美しいこの季節、観光を目的に金沢を訪れる人が増えている印象で、街を歩くと、金箔をはじめとする工芸品の販売店が並び、それぞれのお店で新商品の展示や体験イベントが行われていました。
アクセサリーや香水など、日常使いできるアイテムを扱う店も多く、店内には国内外を問わず女性客の姿が目立ちました。こうした様子からも、女性をメインターゲットにした企画が増えていることが感じられます。
石川県立美術館では「伝統工芸展」が開催されており、石川県の伝統工芸品をはじめ、全国各地から集まった作品が品目ごとに展示されていました。それぞれの地域の特色や、作家ごとの表現の工夫を学ぶことができ、伝統の奥深さと今を感じる展示でした。
また、いしかわ生活工芸ミュージアムでは「推し活×工芸」というユニークな展示が開催中。職人を“推し”として紹介するという新しい切り口で、職人の魅力を知るきっかけづくりとしてとても新鮮な企画でした。

今回の調査では、紅葉シーズンという観光のピークに合わせ、販売店や展示会がどのように集客や発信を行っているかに注目しました。特に印象的だったのは、「伝統工芸=古い」というイメージを払拭するような、若年層や女性を意識した商品や作品が増えている点です。普段使いできるデザインやアイデアが多く見られ、新たなファン層を生み出しているように感じました。
今後は、こうした“新しい伝統工芸”の動きが、顧客の満足度や購入意欲にどのような影響を与えているのかにも注目していきたいと思います。

学生のコメント

経済学部地域システム学科 2年次 N・Aさん(石川県 星稜高等学校出身)
私自身、伝統工芸について考えるようになってから1年半が経過し、当初は工芸品を見たときに買いたい!欲しい!と心から思える機会がほとんどなく、「古い」「高い」というマイナスな印象がとても強くありました。
しかし、活動を重ねるごとにマイナスな印象がプラスなものになっていき、今回の活動では高くても買ってみたい!と思える作品もあり、経験の積み重ねによって伝統工芸に対する印象が大きく変えわったと感じています。
私の友人の多くは伝統工芸に触れた機会がほとんどなく、大半がマイナスな印象を抱いているため、本団体として今後とも若い世代の方が伝統工芸を知り、好きになってもらえるように尽力していきたいと思います。