地域連携

【いしかわ共創インターンシップ/土屋ゼミナール③】企業への中間報告と企業との意見交換を行いました

2025.12.11

11/1(土)

土屋ゼミナールの土屋 仁美准教授とゼミ生が、2025年度の「いしかわ共創インターンシップ」でタッグを組む地元企業の代表らを迎え、学内講義室にて、「課題解決」の最終案作成に向けた意見交換会(中間報告)を行いました。

本来のインターンシップが「職業体験型」であるのに対し、「いしかわ共創インターンシップ」は、企業側が提示する経営課題に対し、学生がアイディアを出し合い、討議を重ね、解決案を取りまとめ、提案するまでを体験する「課題解決型」であるのが特徴で、当然、企業と参加学生の関わりは長く、深くなります。
この日は『ケービーエフ株式会社』代表の東克也さんと部署長の中島椎也さん、そして同社が2025年より新事業として運営する『self-A・HOPE泉』で管理者を務めている上田茂美さんの3名が、企業側のゲストとして本学を訪れました。

『ケービーエフ株式会社』がゼミ生に求めているのは、カレーのレトルトパックの製造販売、福祉施設の給食、食材の宅配など主業の「食品関連」の課題解決ではなく、現在、箱詰め業務などの一部業務を担っている福祉就労継続支援施設(self-A・HOPE泉)のより有効で有益な活用方法です。優れた集中力と勤勉性を持つ障がい者が「外部からの単発発注だけでなく、継続的にスキルを発揮し、向上させ、安定的に収入を得られるような自社発信の事業を生み出したい」という東社長の願いに応えるため、ゼミ生が前回の訪問を含めた調査結果から導き出した第一案を披露し、企業側や土屋准教授との質疑応答を経て、可能性のあるものを絞り込み、1月の最終報告に挑むという流れです。

ゼミ内で分かれた各グループが順番に、限られた持ち時間で行う発表のターンでは、「継続性」と「スキル向上」という企業側の要望を踏まえ、流行や季節性を捉えたオリジナル商品の生産業務やデスクワークの委託業務など、バラエティに富んだ案を次々と提示していきます。中には障がいの程度や種類に応じた役割分担など、仕組みづくり、コスト面にまで踏み込んだ企画もありました。

一つひとつの発表にじっくりと聞き入る東社長らは、若者ならではの視点や切り口に関心を寄せながら、素朴な疑問から具体的な方法について質問を重ねていきます。もちろん、経営のプロとしてコスト面や市場での独自性や優位性など、シビアな視点からの掘り下げも行いました。

全グループの発表と質疑応答を終えた後は、土屋准教授自身が考案した事業案も含め、今後ブラッシュアップに取り組む企画の絞り込みに入ります。ただ、理にかなっていると判断される企画ほど自社や他社で既に取り組まれているなど、「思い切ったアイデア」の選定には困難を極めた様子です。その中で「伸びしろ」を感じられた数案を選択し、ゼミ生へのアドバイスとエールを送ったところで今回の中間報告は終了しました。

学生のコメント

経済学部経済学科 2年次 N・Mさん(富山県 呉羽高等学校出身)
企画をまとめる際は、相手がパッと見で内容が理解できるように資料の画像を大きく貼り付け、内容についても、メリットや詳細をよくわかりやすく説明するなどの工夫を凝らしました。
ただ、実際に発表を終えてみると、企業のニーズに沿った作業内容を提案する難しさを実感しました。もっとニーズをしっかり捉えた上で、取り組みやすさや効率、コスト面をうまくマッチングさせる考える必要があったと思います。
今後は最終報告に向けて、グループで考えた案をさらに細かく、深めていきたいです。
経済学部経済学科 2年次 O・Aさん(石川県 金沢伏見高等学校出身)
前回の施設訪問で、実際にどのような事をどのような環境で行っているのかを見て、理解したうえで、「今の事業と組み合わせられるものはないか」「幅を広げられないか」をグループで考え、まとめてから今回の中間報告に臨みました。メリットとデメリットを考慮し、しっかりと伝えられるようパワーポイントなどの資料作成にも力を注ぎました。
中間報告を終えて実感するのは、企画をビジネスとして成り立たせるには費用に対して生まれる利益や相手との取り組み方、あらゆる方面で起きうる問題など、私たちが考えるよりもさらに踏み込まなければいけないということです。今回の収穫は、その大変さや新たな視点からの気づきを得られたことで、今後は企業からの指摘をしっかりと受け止め、今回よりも良い報告が出来るよう、班のみんなと話し合いよく考えながら頑張りたいです。
経済学部経済学科 2年次 Y・Mさん(石川県 羽咋高等学校出身)
今回の中間報告に向け、資料やニュースなどから読み取ることができるものと実際に見て感じたことの間にあるギャップを理解し、そのうえで何ができるかをよく考えながら、準備に取り組んできました。ただ、実際に発表を終えてみると、学生から見てよく思えるような案であっても、実際に行動に移そうとした場合に利益や時間の問題が出できたり、大企業の方が効率的だったりと、必ずしも理想通りには進まないことに改めて気づかされました。
経済学部経済学科 2年次 T・Hさん(石川県 金沢西高等学校出身)
私たちのグループは今回の中間報告に向け、まずは似たような企業がどのような事業を展開しているかを調べ、それらを参考にしながら複数の案を考えました。そして、それら一つひとつが実現できる範囲にあるかを考え、事業のメリットやデメリットも踏まえながら絞り込み、準備を行いました。
「なぜその企画案を提案するのか」という理由の説明には苦慮しましたが、画像をパワーポイントに添付して、なるべくイメージが湧きやすいように工夫して、当日に臨みました。
しかし、実際に報告を終えた現在は、もっと具体的に案を考える必要があったと感じています。事業として成り立たせるためにはコスト意識も必要ですが、利益についてもしっかり考えなければならないですし、提案の中にはすでに実施されているものもあり、もっと斬新なアイデアが必要なことにも気付かされました。
ただ、今回は企業側からの意見や助言を直接聞くことができ、「何が足りなかったか」「どの部分をさらに深く掘り下げればいいか」がわかりました。今後は選んでいただけた企画について、実施方法やコスト面など、より具体的なことをより現実的に考えたいです。また、事業の開始前から開始後まで、予想される事態やトラブルに対し、どのような対策を取るかなど細かいところまで検討しようと思いました。