地域連携

【いしかわ共創インターンシップ/村上ゼミナール②】マッチング企業を訪問し、意見交換と倉庫見学を行いました

2025.12.01

11/13(木)

村上ゼミナールの村上統朗教授と学生3名が、2025年度の「いしかわ共創インターンシップ」でタッグを組むこととなった地元企業『株式会社ツカサ』を訪問し、意見交換と倉庫の見学を行いました。
第1回の活動では、代表取締役の坂池 克彦さんと総務部の山本 陽菜さんを大学にお招きし、自社の概要や歴史、取り組み内容、未来への課題や展望についてお話を伺いました。その際、「会社の認知度をさらに高める取り組みや、AIの活用方法についてアイデアを募りたい」との協力要請がありましたが、今回、坂池社長から「事故発生時の事務処理や、事故の再発防止に向けてAIが活用できないか」という提案がなされ、さっそく意見交換が行われました。

意見交換の様子

物流需要の高まりを背景に、全国各地にある物流拠点では労働中の事故や労働災害が多発し、その対策・検討が急務となっています。事故は「車両」と「荷物」の2つにわかれ、前者は運搬中に、後者は納品先や倉庫内で起こることが多いといわれています。 『株式会社ツカサ』では、安全を企業運営上の中核であると認識し、その安全をマネジメントする為の機関として安全対策室を設置しています。ドライバーの運行状況のチェックや、社員への指導、事故の傾向分析を行っていますが、情報のやり取りを紙ベースで行うことが多く、ペーパーレスへの移行やデータの取りまとめに難航しているといいます。

現場で起こる事故について説明する常務取締役の石川 昇さん

常務取締役の石川 昇さんは「トラックやフォークリフトの事故はヒューマンエラーによるものが多い。ミーティングや講習、指導で対策はしているが、今ある仕組みや設備で対応するには限界があると感じている。この業界は危険がつきもの。安全に荷物を運び、社員が安心できるような新しい仕組み作りができないか」と話します。 学生たちは、同社で過去に発生した事故の記録映像や報告資料を視聴し、時折り石川常務に質問しながら、事故発生時の状況や傾向、当事者の心理状態、事務処理の流れなどを確認し、今後取り組むテーマの一つとして認識を深めました。

フォークリフトのタブレットモニターを見ながら説明を受ける学生たち

意見交換を終えた学生たちは同社の第2物流倉庫へと移動。第2物流倉庫は大型トラックの入出庫がスムーズに行える搬入口を構え、天井は高く、高耐荷重のパレットラックを活用して荷物を保管・管理しています。フォークリフトの動線も配慮され、効率的に入出庫・検品・ピッキングができる環境になっています。「広い…!」「倉庫のイメージが変わった。清潔感があって想像以上にきれい」とつぶやく学生たちの目に、フォークリフトで荷物の積み下ろしを行う社員の方が映ります。課長の英さんが学生たちを出迎えてくださり、実際に行われている荷物の積み下ろしや検品作業についてお話を伺うことができました。

倉庫の管理システムについて説明する英課長

「弊社では自社開発した管理システムを活用し、リアルタイムで庫内状況を確認しています。荷物の積み下ろしにはフォークリフトを使用していますが、フォークリフトのタブレットモニターに出荷物が自動表示されるので、リフトマンはそれを見て荷物を運び出しています。違う荷物を下ろそうとすると違うと表示されるため、荷物の取違いを防ぐことができます」。 英課長のお話によると、同社ではこの管理システムを導入したことで荷物の取違い事故が格段に減ったとのこと。実際にフォークリフトで作業をしている社員の方を見た学生は「倉庫内の管理がシステム化されているので社員の方が働きやすそうですね」と感想を述べていました。

クレーンで資材を運び出す様子

第2物流倉庫の見学後は白山PC事業所へと移動し、資材の納品、加工、出荷までの一連作業を行う倉庫を見学。学生たちは安全に歩行できる指定通路を進みながら石川常務の説明を受け、社員の方々が指差し呼称で声を掛け合いながら作業する様子を見学することができました。特に、大型トラックで運ばれた巨大な資材を天井クレーンで吊り上げ、指定された場所へと的確に移動させる作業に学生たちは圧倒されていました。

石川常務から説明を受ける学生たち

今回の意見交換と倉庫見学を経て、『株式会社ツカサ』が行う輸送サービス、倉庫サービスについての理解が深まった学生たち。この日はなんとフォークリフトの操作や大型トラックへの乗車も体験させていただき、社員のみなさまが普段目にしている景色を実際に見る貴重な時間にもなりました。活動の最後には石川常務から「最近は企業説明や会社案内をAIアバターが行う例も増えている。弊社のキャラクターも作りたい。ぜひみなさんのアイデアを頂けたら」と相談を受け、学生たちはその場でキャラクターの案を考え始めるなど次回の活動に繋がる意気込みを見せていました。