地域連携

【いしかわ共創インターンシップ/土屋ゼミナール②】マッチング企業が運営する就労継続支援施設を見学しました

2025.11.25

11/1(土)

土屋ゼミナールの土屋仁美準教授と2年次の学生たちが、2025年度の「いしかわ共創インターンシップ」でタッグを組むこととなった地元企業『ケービーエフ株式会社』への企業訪問を実施しました。

『self-A・HOPE泉』の前

「石川県中小企業家同友会」に加盟する地元企業5社が掲示するそれぞれの課題に対し、学生がアイディアを出し合い討議を重ね、解決案を取りまとめる「課題解決型」のインターンシップでは、去る10月9日(木)に学内にて、代表取締役の東克也さんを招いての事業説明会を実施。東社長とはこの日、事前の下調べや討論を経ておよそ3週間ぶりの再会となりました。

集合した学生に事業の概要を説明する『ケービーエフ株式会社』の東社長

今回の訪問先は、『ケービーエフ株式会社』の本社や工場ではなく、金沢市泉にある障がい福祉就労継続支援施設『self-A・HOPE泉』となりました。同社の主な事業は、カレーのレトルトパックの製造販売、福祉施設の給食、食材の宅配などの食品関連事業なのですが、土屋ゼミが取り組む課題は、2025年3月に新事業の拠点としてオープンした障がい施設との連動性を深める「新しい役割の提案」となります。なお、『self-A・HOPE泉』では現在、12人の障がい者がそれぞれの希望や事情に適した働き方(賃金で定期的に働くA型と報酬で可能な範囲で働くB型)で、梱包や小物づくりなど、各企業から発注された様々な作業に従事しています。

実際に仕上げた商品を説明する東社長

今までの『ケービーエフ株式会社』には「障がい福祉就労支援事業」のノウハウが一切なかったそうで、全国に拠点を持つ『self-A』のフランチャイジーとなることにより、その獲得と活用に臨んでいます。飲食事業との連動については、レトルトカレーの箱詰めのみを依頼している段階で、今回の共創インターンシップには、集中力と勤勉性を強みとする障がい者の方々が、単発ではなく継続的にスキルを発揮し、向上させ、安定的に収入を得られる方法や企画の提案が求められています。

現在の業務を説明する施設責任者の上田さん

この日は16人のゼミ生が施設を訪問し、東社長と施設責任者の上田さんによる概要説明の後、実際の作業現場の見学に臨みました。
厳しい防災基準やプライバシーの保守の観点から、地下と2階にもフロアを設けたゆとりある施設を巡る中、ゼミ生それぞれが、人や環境をより活かせる業務や交流機会など、新たなアイディアへのヒントを得た様子です。その証として、時間を重ねるごとに、東社長に直々に質問や提案の個別相談を行う学生も増えていき、解散時間を過ぎても、その賑わいが止むことはありませんでした。

作業の様子を見学する学生たち

学生のコメント

経済学部経済学科 2年次 O・Hさん(石川県 金沢伏見高等学校出身)
訪問に行く企業がどのような事業をしているのか、障がいのある方々がどのようなところで働いているのかをインターネットで調べて企業訪問に臨みました。 障がい者の方が働いているところを実際に見る機会がなく、訪問当日までなかなかイメージができていなかったのですが、今回の訪問で実際に見て、聞いて、感じたところから新たなアイディアを出し、事業に繋げていくことができればと考えています。
経済学部経済学科 2年次 O・Aさん(石川県 金沢伏見高等学校出身)
前回の説明で会社がどのような事を行っているのかを理解し、障がい者の方々ができることを私たちなりに考え、少しでもその範囲が広がるような案を出し合った上で訪問に臨みました。障がい者の方がどのような作業をしているのかを捉えきれておらず、シンプルな作業を想定していたので、箱に詰める作業や小物づくりなど私でも難しいと感じる細かい作業をこなす姿を見て、素直に「凄いな!」と思いました。また「少しでも障がい者の方々のためになり、その方々に報酬が出るような案を」という企業側の願いも強く伝わってきたので、今後はより真摯に向き合って、素晴らしいと思ってもらえる提案ができればなと思っています。今回の訪問で得たヒントをもとに「どのような提案ができるのか」「それがみなさんのためになるのか」を考え、ゼミナールのみんなで作り上げていきたいです。

経済学部経済学科 2年次 S・Mさん(富山県 桜井高等学校出身)
訪問当日はさまざまな企業で働く障がい者の方々がどのような仕事をしているのかを調べ、どのくらいの仕事ならお願いできるのかを想定した上で臨んだのですが、実際は一人ひとりの体力や力量にあわせて作業内容が異なることがわかり、想像以上に難しい作業をこなしていることにも驚きました。これらの発見から、まだまだ可能性のある作業がたくさんあるなと感じました。
経済学部経済学科 2年次 I・Sさん(石川県 野々市明倫高等学校出身)
具体的な提案はまだ浮かんでいないのですが、今回の訪問を通して、障がい者の方が今どのような役割を担っているのかということ、想像していた以上に繊細な作業をこなしていること、他の場所での作業もできることが理解できました。もともと考えていた簡単な作業だけではなく、今後はより広い範囲で魅力的な仕事を考えていきたいと思います。

経済学部経済学科 2年次 Y・Aさん(石川県 金沢錦丘高等学校出身)
障がい者の方が、想像以上に細かい作業や丁寧さが求められる仕事をしている様子に驚きました。また、施設には体調が悪くなった時に休憩できる専用のベッドがあり、その希望が伝えやすい雰囲気があるなど働く環境の良さも印象に残りました。 今回改めて感じたのは、話を聞くだけではなく、実際に自分の目で見ることの大切さです。説明会で抱いた印象とは異なる部分もあり、新たな気付きが得られましたし、この気付きをもとに障がいのある方がより安定的に働くことができる作業内容を考え、提案していけたらと思います。