国際交流

【留学】台湾への留学報告~「自分を変えたい」から始まった旅~

2022.11.11

金沢星稜大学では、人文学部の学生のみならず、多くの学生が海外へ飛び立ち学びを得ています。
1年間休学をして台湾に渡航した経済学部経済学科 4年次 N・Yさん(石川県 金沢高等学校出身)に、留学を通して得た気づきやその後の変化などを語ってもらいました。

「大学生活このままでいいのかな?」という迷いから留学へ

平凡な大学生活を過ごしていつの間にか3年次を迎えようとしていた頃。何かにチャレンジしたいと思い、「最も大きな壁にぶつかる道ってなんだろう」と考えた時に、真っ先に思いついたのが留学でした。実は、小学3年生から卒業まで両親の仕事の関係で中国の北京で過ごしたのですが、中国語が上達せずに後悔していて。今回、留学先を台湾に決めたのは、コロナ禍でも留学生を受け入れていたこと、1年次に家族旅行で訪れた時に日本人に優しく料理が美味しいことに魅力を感じたからです。

語学を磨くだけでなく、「生き方」についても見つめ直す大切な時間に

3年次の8月から1年間休学し、現地の大学附属の語学センターに留学しました。留学中、特に印象に残った授業は、入学して一人目の先生の授業です。3~4人のグループに分けられ、生徒が発言するたびにカードが渡されました。授業で学んだ単語と文法を使えば使うほど多くのカードを手にできます。授業の最後にカードの枚数が一番少ないグループには宿題が追加されるルールになっていたため、最下位を回避すべくその日覚えた単語と文法を使ってどんどん発言しました。気が付くと、中国語検定2級に合格したり、HSK(中国政府公認の中国語能力を問う試験)最上級の6級に合格できるほど中国語が上達していました。休日は台湾に留学したい日本人学生のサポートを行う海外インターンに行ったり、台日交流会に参加したりしていたことも、語学力の向上に繋がっていたのかもしれません。

1年間の留学を経て学んだことは沢山ありますが、一番は「生き方」についてです。留学中に出会ったのは、自分と同じように大学を休学して来た人だけでなく、高校教師の仕事を辞めてきた人や青年海外協力隊を経て来た人など様々で。なぜか皆が眩しく見えたのは「他人の目を気にせず自分のやりたいことをして生きているから」だと気づきました。そんな彼らの姿を目の当たりにし、私自身も「自分のやりたいことにチャレンジできたかどうか」を幸せの基準にするようになりました。帰国後に変化を実感したのは、体験することにはお金を惜しまなくなったことや、人のチャレンジをより応援するようになったことです。後者で言えば「ほし☆たび北海道2022」でスキッパーとして参加したことが大きいですね。

台湾での気づきや学びを伝える機会をくれたご縁に感謝したい

台湾から帰国する直前、金沢星稜大学の協定校である銘傳大学と繋がりのある友人から、オンラインでスピーチをしてほしいと依頼がありました。台日交流会で出会ったこの友人から、中国語講座を受講する日本人大学生向けに、留学の体験談を話してほしいと声をかけていただいたのが最初のきっかけです。テーマは「台湾での生活」について。台湾は、上下関係が厳しい縦の関係ではなく、対等な横の関係が大切にされていることが印象的で。インターン先で台湾人と働いていた時に感じたのは、「誰が一番偉いのかわからない」くらい皆が対等に意見を自由に言い合っていたことです。日本だと遠慮したり、躊躇したりするような場面でも、年齢関係なく、お互いに意見を言い合うことはもちろん、時には、年下の人が年上の人にアドバイスをする姿も魅力に感じました。
このスピーチを聞いてくださった方から好評をいただき、帰国後も2度スピーチの機会を頂きました。その時は台湾旅行をテーマに、心からおすすめしたいと思う観光スポットや外さない観光スポットを紹介しました。1月1日になる瞬間に花火が吹き上がる台北101、日本の有名なアニメの舞台ともいわれている九份、台中にある「彩虹春村」という一人のおじいちゃんが作ったカラフルなスポットなど。スピーチを聞いてくれた学生からは「台湾に行きたくなった」という感想をもらい、本当に嬉しかったですね。

行くだけでは得られないけれど、踏み出すことからすべては始まる

台湾は、景色・風景・人・食べ物、どれをとっても本当に魅力の詰まった場所なので、ぜひ行ってみてほしいなと思います。台湾に限らず、もし今留学に行こうか迷っている人がいたら伝えたいのは、「すべては“申し込む”ことから始まる」ということです。ちょっとでもやりたい気持ちがあればその思いに正直になってチャレンジしてほしいですね。

だからといって海外に行くだけで価値観が大きく広がるものではありません。「なぜ?」を深堀して、自分で意味を見出していく力があるとより成長できると思います。また、その土地やその瞬間にしか体験できないことには、惜しまず飛び込んでほしいですね。その経験がその後の人生を歩む上できっと背中を押してくれるはずです。