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【金沢星稜大学市民講座】(第102回)能登半島地震の創造的復興:「能登駅伝」の復活開催を目指して-1970年代の三大学生駅伝「能登駅伝」を知ろう-を開催しました
2024.10.30
9/21(土)
今回は、大久保英哲学長が、標題のテーマで講座を行いました。
現在、「箱根駅伝」、「伊勢駅伝」「出雲駅伝」が日本三大学生駅伝と呼ばれています。しかし、意外と知られていませんが、1970年代、日本の大学三大駅伝といえば「箱根駅伝」「伊勢駅伝」そして「能登駅伝」でした。能登駅伝は、関東学連のみのローカル駅伝である箱根駅伝と違い、全国規模の駅伝であり1968年~1977年にわたり開催されていました。3日間26区間(341㎞)のコースで、最長最大規模の駅伝であり、日本一過酷なレースと言われていたのです。能登駅伝が開催されることになった背景には2つの要因があります。1つは、能登半島が国定公園指定になった記念行事として開催が発案されたことです。 そして要因のもう1つは、高度経済成長に伴う渋滞・大気汚染の発生により大規模駅伝の開催が危機に瀕していたことでした。「青東駅伝」が1974年を最後に休止され、いずれは「箱根駅伝」も...と危惧される中、その代替または後継となる駅伝を読売新聞が模索していたことでした。
そんな中で記念すべき第1回大会は1968年、「全日本学生招待能登半島一周駅伝競走大会」として、全国の学生の参加を募りました。スタート地点の高岡からゴールの七尾市役所までの道は、風光明媚変化にとんだコースであり、峠の連続で観客を沸かせ、また、自動車が少なく走りやすいこともあり、大成功を収めました。その後、「能登駅伝」は、第4回大会ではついに学生三大駅伝宣言がなされるまでに大きく成長したのです。
ところが、1973年石油危機が起こり、狂乱物価となった日本は、石油や紙の価格が高騰し、新聞社は大打撃を受け、読売新聞がスポンサーを降り、駅伝の予算はひっ迫しました。ゼッケンや標識を手作りするなど工夫がされましたが、開催は学生と関係者の善意に依拠する形となってしまったのです。そんな中第10回大会で某大学のマネージャーが監督伴走車(自衛隊ジープ)から転落する人身事故が起き、自衛隊が支援から撤退することとなり、能登駅伝は開催困難となりました。しかし、「能登駅伝」は能登半島のスポーツツーリズムの魁として大きな成果を残したのでした。
ところが、1973年石油危機が起こり、狂乱物価となった日本は、石油や紙の価格が高騰し、新聞社は大打撃を受け、読売新聞がスポンサーを降り、駅伝の予算はひっ迫しました。ゼッケンや標識を手作りするなど工夫がされましたが、開催は学生と関係者の善意に依拠する形となってしまったのです。そんな中第10回大会で某大学のマネージャーが監督伴走車(自衛隊ジープ)から転落する人身事故が起き、自衛隊が支援から撤退することとなり、能登駅伝は開催困難となりました。しかし、「能登駅伝」は能登半島のスポーツツーリズムの魁として大きな成果を残したのでした。
元旦に発生した令和6年能登半島地震の発生で能登は甚大な被害を受けました。復旧作業はまだまだ続いている状況ですが、「石川県創造的復興プラン」の中期が終了する5年後、2029年ごろに「能登駅伝」を復活させ、全国の若者たちが沿道の応援と建設の槌音を聞きながら、その力強い足音を響かせ、一歩一歩能登の大地を踏みしめ、鎮魂と復興の想いを刻んでくれれば、能登半島地震の象徴的復興になるのではないかと講座を締めくくりました。
参加者の感想
三大学生駅伝と呼ばれるほど、最大で最長の駅伝であった能登駅伝。石川県・富山県をはじめとして全国的に大変大きく影響をおよぼしていたことを一人でも多くの人々に知ってもらい、復活開催が実現することで再び全国に大きな風を吹かせ、能登半島地震の復興の象徴的なものにできると強く感じました。 復活をきっかけに10年間の能登駅伝での歴史が多くの若者の耳に入るのではないかと感じました。
全国の学生が参加できる、走りがいのあるコース、美しい景色を見ながら自由に走れることなど魅力的な点が多く、なくなってしまったことが惜しいと思いました。 今年、能登は大変なことになってしまいましたが、ただ元通りにするのではなく、より良い形で復興するのを目指したい気持ちになりました。 能登駅伝は間違いなく創造的復興に関係すると思いました。この講座を通して自分にできることを考えるきっかけにもなりました。
全国の学生が参加できる、走りがいのあるコース、美しい景色を見ながら自由に走れることなど魅力的な点が多く、なくなってしまったことが惜しいと思いました。 今年、能登は大変なことになってしまいましたが、ただ元通りにするのではなく、より良い形で復興するのを目指したい気持ちになりました。 能登駅伝は間違いなく創造的復興に関係すると思いました。この講座を通して自分にできることを考えるきっかけにもなりました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。