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【経営学科/村上ゼミナール】「地域ブランディング」で企業の採用課題に挑む — 産学連携PBL最終報告会を実施 —

2026.02.13

経済学部経営学科の村上ゼミナールでは、北陸三県の企業と連携し、経営学の理論を実際の現場に応用する「実践体験型PBL(Project Based Learning)」を展開しています。このたび、富山県の建設会社である砺波工業株式会社様(砺波市)のご協力のもと、約9ヵ月間にわたって取り組んできたプロジェクトの最終報告会を行いました。

本プロジェクトは、多くの地方企業が直面する「高い技術力を持ちながらも、若年層への認知度が不足している」という課題に対し、学生ならではの視点で解決策を提案・実証するものです。ゼミ生たちは「単なる企業宣伝」では若者の心に響かないと仮説を立て、「地域ブランディング(富山での魅力的な暮らしの発信)」を通じて、間接的に企業への関心を高める「U・Iターン採用促進モデル」の構築に取り組みました。

5月のキックオフ以降、Instagramを用いた情報発信を開始しましたが、当初の「会社の魅力」を中心とした投稿では想定した反応が得られませんでした。その要因を分析した結果、若年層の共感獲得を狙い、コンテンツの主軸を「富山での楽しい休日・暮らし」といった地域情報へ変更しました。その後は、砺波チューリップ公園や四季彩館の紹介、富山グラウジーズの冠試合と連携した動画制作に取り組むなど、試行錯誤を重ねました。

取り組みの転換は、明確な数字となって表れました。運用期間中の総閲覧数は7.5万回に達し、その約9割がフォロワー外からの新規アクセスとなるなど、認知拡大に大きく貢献しました 。最終報告会では、砺波工業株式会社の社長様より「学生ならではの視点で、我々では気づかなかった魅力を引き出してくれた」と高く評価いただき、「来年度もぜひ継続して取り組んでほしい」とのご要望をいただきました。
次年度は、今回構築した認知獲得のモデルをベースに、より直接的な「採用・応募」へつなげるための施策へと発展させていく予定です 。
(文:担当教員 村上 統朗)

学生のコメント

経済学部経営学科 3年次 I・Mさん(富山県 石動高等学校出身)
実家が建設業を営んでおり、業界の「人手不足」という課題に当事者意識を持っていました。活動当初は「企業の認知度」ばかりに目が行っていましたが、調査を進める中で「そもそも県外へ出た学生が戻ってきていない」という地域課題の深さに気づき、「富山の魅力」を発信することの重要性を痛感しました。
壁にぶつかることもありましたが、その分だけ物事を多角的に考える力が身についたと感じています。この経験を、将来家業を継ぐ際にも活かしていきたいです。
経済学部経営学科 3年次 N・Sさん(富山県 小杉高等学校出身)
富山県の総合建設業・砺波工業株式会社様と連携し、地域ブランディングを活用した新卒採用促進プロジェクトに取り組みました。若年層の認知不足という課題に対し、「企業の魅力」だけでなく「富山での暮らしの魅力」を発信するという仮説のもと、SNS運用を中心とした実践を行いました。
実際の運用では、当初の企業中心の発信から地域軸への転換を行うなど、試行錯誤を重ねた結果、フォロワー増加や7.5万回の閲覧数という成果を得ることができ、「地域の魅力発信が企業認知につながる」という仮説の有効性を実感しました。
本プロジェクトを通して、データに基づいて考え、戦略を修正しながら成果につなげる難しさと面白さを学びました。企業の方から直接フィードバックをいただく経験は非常に貴重であり、学びが机上の理論にとどまらず、社会と結びつく実践的な力へと変わっていくことを実感しました。今回の経験を糧に、今後も社会で活かせる力を磨いていきたいと考えています。
経済学部経営学科 3年次 K・Kさん(石川県 小松商業高等学校出身)
講義で得た知識を実践で応用することは頭で考えるよりも難しいと感じました。しかし、学生の内に講義で得た知識を実践で用いる機会は滅多にないことから、実際に知識を用いる経験を積むことができたことは自分自身の成長に繋がったと思います。
SNS運用を行う上でも、投稿内容など変更点がありましたが、その都度臨機応変に対応することで、そのプロジェクトにあったベストを尽くすことができました。大変なことも多々ありましたが、学生の内に企業の方と直接プロジェクトを行ったという経験は、これから社会に出て働く私にとって成長の糧になったと感じました。
経済学部経営学科 3年次 K・Dさん(富山県 小杉高等学校出身)
本プロジェクトを通して、地域ブランディングと採用活動の関係性を実践的に学ぶことができました。当初は企業の魅力を直接発信することが採用につながると考えていましたが、取り組みを進める中で、実際には地域での暮らしや働く姿といった日常生活のイメージが、若年層の関心を引きつける重要な要素であると気づきました。
特にSNS運用では、企業目線の情報よりも、学生としてのリアルな体験や感情を交えた発信の方が高い反応を得られ、学生視点の強みを実感しました。また、取り組み内容を途中で見直し、地域軸へと転換した経験から、データに基づいて柔軟に方向修正する重要性も学びました。本プロジェクトで得た学びは、今後の研究や就職活動にも活かしていきたいと考えています。